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LTspiceでOPアンプの特性を調べてみる(3)プラス電源のみで動作

■OPアンプをプラス電源のみで動作させる


 次に示す8ピンDIPのLT1115の実デバイスでシミュレーションの結果と比べます。テストを行うにあたって、利用できる適当なプラス/マイナスの電源がないのでプラス電源だけでどうなるかシミュレーションで確認し、実デバイスでブレッドボードに回路を組んでテストします。

 次の図は、LT1115の型番が印刷された面から見た(Top View)ピン配置と内部接続図です。

 8ピンDIPのパッケージですから、次に示すようにブレッドボードの中央部に挿し込めばテスト回路を構成できます。

単電源で動かすテスト回路
 テスト回路は次に示すように、プラス電源のマイナス側をGNDに設定します。-Vに接続している部分はGNDに変更します。
 GNDに接続していたプラスの入力抵抗(R3)の接続先を、+VとGNDを二つの10kΩの抵抗でプラス電源(+V)を1/2に分圧した電圧が加わるように変更します。



 オーディオ信号ですので直流分をカットできます。C1のコンデンサで入力信号の交流分だけを通します。出力信号の直流分は、負荷の検討を行うとき追加します。.stepで増幅率を決める二つの抵抗値を変化させています。




 高域で位相が大きく変化しています。過渡解析を行うと、入力信号より大幅に高い周波数の波形が出力に表れています。

実際の回路
 R2の値を3.3kΩ、R1の値を10kΩにして実際の回路を次のようにします。V1の発振回路はブレッドボード上には作りません。

 ブレッドボード上に発振回路を除いて実際に組んだ回路を示します。電源は12VのAC-DCアダプタから供給されています。入力部は発振回路がありませんから、オープンのままです。

 この状態での7番ピンのOPアンプの出力の状態をオシロスコープで確認します。


 ピークtoピークで3.36Vくらいの出力の高域の波形が、次のようにオシロスコープに画面に広がっています。

 時間軸を1目盛り1msから1000倍の1μsにすると、次のような波形が現れました。周波数は523kHzと表示されています。LTspiceのシミュレーションで発振していた波形とほぼ同じレンジの波形が表示されています。


 次回、入力をショートした場合、位相の補正をした場合、入力信号を加えた場合などシミュレーションの結果と実回路のテスト結果を確認する予定です。

(2016/5/27 V1.0)


<神崎康宏>

バックグラウンド

Top View;ICのパッケージを上(文字が読める側)から見たときのリード線の番号が確認できます。裏面から見たときは、Bottom View と書かれています。

ピークtoピーク;Vp-pと表記されます。オシロスコープで見たとき、波形の下から上までの電圧値です。

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