トランジスタの働きをLTspiceで調べる(6).measコマンドで測定
■ .measコマンド(2)
今回は、前回に引き続きシミュレーション結果を .measコマンドで測定します。今回は、直流分が重畳しているトランジスタのコレクタ出力OUT0を、コンデンサC2で直流分をカットした出力OUTをグラフに追加しました。
グラフ表示だけにします。各ステップ、同様な波形になっているように見えますが、重なって少しわかりにくくなっています。
ステップ操作のうちSelect Stepsで、XR2=2000Ω(2kΩ)のシミュレーション結果のみを表示ました。
メニューバーの
Plot Setting>Select Steps |
を選択し、次に示すSelect Displayed Stepsのウィンドウを表示して、表示したいステップを選択します。ここでは3番目の2000を選択します。
OUT0、OUTの測定点の正弦波の比較を行うために .measコマンドでそれぞれの波形のPeak to Peakの電圧の測定を行います。
次に示す .measコマンドで、vpにはOUT0のPeak to Peakの電圧、vpoにはOUTのPeak to Peakの電圧を測定します。
.measコマンドによる測定結果は、次に示すようになります。FROM 0.00 TO 0.01で示されるようにシミュレーション期間全体が測定対象になっています。
対象期間は FROM time1 TO time2 と開始時期time1、終了時期time2で設定できます。
波形の様子を調べるために、波形を拡大してみました。そのために、シミュレーション結果のうちStep3のXR2=2000の結果のみグラフに表示しました。
OUT0とOUTの間にピークの位置がわずかにずれているようなので、確認のためOUT0の波形をOUTと重ねて表示します。そのためにメニューバーの
Plot Settings>Add Trace |
を選択し、次に示す Add Traces to Plot のウィンドウを表示し、
V(OUT0) - 2.8 |
を設定しました。
V(out0)-2.8の結果が緑色のラインで追加されています。重なっているのでよくわかりません。
中心部をX軸方向だけ表示画面をドラッグして拡大すると、OUTはOUT0に対して少し位相が遅れているのが確認できます。
次回この位相の遅れの様子をもう少し詳しく確認してみます。
(2017/3/30 V1.0)
<神崎康宏>