SDメモリ・カードの読み書き速度
●読み書きの速度はclass10が高速
標準のSDメモリ・カード(SD Memory Card)から、形状が小型のコンパクトなmicroタイプに時代は移りつつあるようです。特価品を除き、データの転送速度の指標であるclass10というスピード・クラスが一般的です。class10の中でも、各社読み書きの速度には差があります。
次の写真は、microタイプ(11×15mm)と標準形状で使うためのアダプタです。
2015年現在、市販されているSDメモリは、SDHC(SD High Capacity )とSDXC(SD Extended Capacity)の2種類の規格があります。
- SDHCは4~32GBの容量で、データ転送速度の指標はclassが使われる
- SDXCは64GB~2TBの容量
- SDHCとSDXCで読み書きにSDバス・モードがUHSに対応している場合、速度指標はUHS Class1もしくは3のUHSスピード・クラスが使われる
市場では、class4とclass10が入手できますが、この数字は最低保証レートを示していて、数字が大きいほうがデータ転送速度が高速です。Paspberry PiなどではOSの容量が4GiBぐらいなので、8GiB以上のSDメモリを用意しますが、できたら、高速なほうが良いように思います。2015年時点、容量当たりの単価は16GiBが安いように思えます。
●Windows10で読み書きの速度を測る
用意したのはclass10対応のmicroSDHC/SDXCカードです(64MBはclass10表記ではない)。 USB3.0カード・リーダに差し込み、使用した測定ソフトは定番のCrystalDiskMark3.0.3です(転送容量は100MB)。UHSはUltra High Speedの略で、読み書きのデバイスがこのバス規格に対応していると、転送速度の向上が望めます。Paspberry PiではいずれのSDカードも同じ読み出し速度でしたから、対応していないのかもしれません(確証はない)。
SDメモリのカード・リーダは、2015年5月に購入した、SD/SDHC UHS-I/SDXC UHS-I/microSDHC/CF対応のTranscend USB 3.0 Super Speed マルチカードリーダー です。2012年ごろの製品です。
メーカ/シリーズ名 | 容量[GB] | 規格表記 | 型番 | リード[MB/s] | ライト[MB/s] |
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(1) SanDisk Extreme Pro | 32 | UHS-I(U3) | SDSDQXP-032G-G46A | 84 | 81 |
(2) Transcend | 16 | UHS-I(U1) | TS16GUSDHC10U1 | 93 | 64 |
(3) Transcend | 32 | HC-I | TS32GUSDHC10E | 95 | 17 |
(4) Transcend | 8 | HC | TS8GUSDHC10E | 24 | 12 |
(5) SAMSUNG EVO | 32 | UHS-I (U1 ) | MB-MP32D | 46 | 24 |
(6) SP シリコンパワー Elite | 64 | UHS-1(U1) | SP064GB | 84 | 47 |
(7) 参考SATA SSD | 512 | 507 | 447 | ||
(8) 参考USB3.0 HDD | 512 | 84 | 78 | ||
(9) 参考USB3.0 SSD | 60 | 217 | 137 |
参考の(7)はマザーボードのSATAインターフェースにつないでいます。(8)と(9)はUSBインターフェースです。上記の速度は1回だけ測ったので、それぞれの製品の能力を正確に表していないかもしれません。
バックグラウンド
GiBとGB;GiBはギガ・バイトもしくはキビ・バイト、GBはギガ・バイトと読む。GiBは2の30乗バイトで、GBは10の9乗バイトなので、値は異なる。
数値の桁が大きく電卓ではオーバフローしたので、小さなkの単位で計算。
KB(キロ・バイト) 10の3乗=1000バイト。しかし、慣用的には1024バイトを表し、kBが1000バイトと使い分けられることも多い。
KiB(キビ・バイト) 2の10乗=1024バイト。日本ではあまり使われていない。海外のLinux関連ではこちらの表記が多い。
SSD;Solid State Driveの略で、SDメモリと同様に製造コストが安いNAND型フラッシュ・メモリで構成している。ハードディスクの置き換えなので、現在はSATAインターフェースが採用されている。ただし、M.2形状のSSDの中には、SATAのAHCIの代わりにNVM Express(Non-Volatile Memory Express、NVMe)を利用でき、転送速度が向上した製品も出ている。