電子工作のために用意しておきたいツールをまとめて紹介(1)

はんだ付けは電子工作の基本

 電子工作のために手元に置き、なくては困るものがいくつかあります。よく利用するものを次に示します。

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 左から、ニッパ、ラジオ・ペンチ、ワイヤ・ストリッパ、コテ・フォルダ、はんだゴテ、はんだです。

よく利用するはんだ付けツール
 次に示すのが、はんだ付け時に引っ張り出してくる、はんだ付けの3点セットです。

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◆はんだ
 はんだは千住金属工業製のスパークルハンダで、0.8mm径、500g巻きの脂入りで、フラックスが入っているので、はんだ付け作業が容易です。10年以上前に購入したものを今まで使っています。もう少しでなくなりますので、これがなくなったら次は鉛フリーのものに替えます。

※はんだは旧来のスズ60%;鉛40%の有鉛はんだを使っています。現在購入するなら、融点が下がりフラックスの性能が上がった無鉛はんだを購入しましょう。500gとか1kgを購入すると、一生使えます

 


◆はんだゴテ
 はんだゴテは、太洋電気産業製の温度調整機能のついたPX201を使用しています。70Wと少し発熱量に余裕があり、電源を入れてから温度の立ち上がりが早く、250℃から450℃の温度調節機能がついているので必要以上に温度が上がらず使いやすいはんだゴテです。高い温度が必要な鉛フリーのはんだ付けにも困らないものです。
◆コテ・フォルダ
 はんだゴテは、コテ先が高温になり不用意な扱いをすると直ぐに火傷をします。特に、コテから手を放したときの扱いが重要です。
 安全のため、次に示すようなしっかりホールドできるコテ・フォルダに差し込んで、転がらないようにします。太洋電気産業製のコテ・フォルダST-11です。

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 長い間、はんだクリーナや簡易型のコテ台に乗せていました。その場合、はんだゴテのケーブルの重さで台から転げ落ちたりして机の上の部品を溶かしたり、焦がしたりのヒヤリハットの小事故がしばしば発生していました。
 この「コテ・フォルダ」にしてから、そのようなことは皆無となりました。少々高価になりますが、ぜひより安全なこのタイプの「コテ・フォルダ」を選んでください。

●はんだ付けの実際
 はんだ付けについての基本的な操作、コツなどについてメーカなどが公開しています。それらをいくつか次に示します。
 電子工作では、ジャンパ線を作成したり、部品のはんだ付けなどが必要になります。その時点で具体的な説明を行う予定です。

ニッパ
 ニッパは、部品を基板などにはんだ付けした後の余分なリード線などを切断するのに便利なツールです。エンジニア製のマイクロニッパーNS-06です。0.8mmφの銅線の切断の能力があります。これ以上太い針金などはペンチを利用します。爪切りの代わりにしていますが切れ味は抜群です。
 このニッパは模型のパーツの切断にも利用できますが、プラスチック用に多く発売されている精密ニッパのなかには鋼線の切断には対応していないモデルがあります。鋼線を切断できるニッパを選んでください。

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ラジオ・ペンチ
 一般のペンチより、先端が細いです。利用しているラジオ・ペンチは数種類ありますが、普通のラジオ・ペンチのほかにホーザン製P-36 ミニチュアラジオペンチを主に使用しています。
 汎用のラジオ・ペンチより3cmくらい小さいです。電子工作で利用する部品の形状は小型なので、こちらのほうが便利です。

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ワイヤ・ストリッパ
 電線の被覆をむくのにワイヤ・ストリッパは必須です。次に示すのは、AWG30からAWG22までの電線の被覆をむくことのできるワイヤ・ストリッパです。IDEAL製のT-Stripperです。芯線が約0.26mmから0.6mmくらいの径の被覆に対応した刃がついています。35年以上使用したもので、いまだに利用しています。しかし、最近、耐熱性の強化された被覆をむくときに少し切れ味が悪くなってきたので、更新の時期かなとも思っています。

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 電子工作で利用する場合は、AWG30までの細い電線対応のものを選びます。

◆エンジニア製 PA-14 AWG32 から AWG20(単線)
◆東京 IDEAL T-7 45-125 AWG30 から AWG22(単線)
◆ホーザン   P-967  AWG28 から AWG18(単線)

 次回もAWG30の単線の被覆をむくためT-StripperのT-7 45-125を購入する予定です。エンジニア製PA-14は利用できる配線の種類が多いのですが、価格が少し高くなるので今回はT- Stripperにしました。

(2016/1/14 V1.0)

<神崎康宏>

バックグラウンド

スパークルハンダ;鉛とスズの合金です。秋葉原の店頭でも入手できます。ヨーロッパを代表とするROHSおよびROHS指令相当に対応すべき国に輸出する電子機器のはんだ付けには、鉛が入っていないはんだを使います。鉛フリーといいます。

0.8mm径;ラグ板などのはんだ付けには1.2mm径の太目が適していますが、0.8mmが一つあれば万能です。500gを購入すると長い間使っていけます。最初に購入するなら25g~150gでもOKです。

脂入り;ヤニというのは松脂が語源です。現在は、フラックスという名称で呼ぶことが増えています。はんだの細い線の中にフラックスが入っています。フラックスなしでは、はんだ付けはほぼ失敗します。

AWG30;線材の太さを表すアメリカの規格の呼び名です。AWG30は直径が約0.25mmで、数字が小さくなるほど線径は太くなります。

針金;一般用語として鉄製のワイヤを指します。抵抗のリード線の多くは軟鉄線にスズ・メッキです。鉄は炭素との合金です。炭素の含有量が少ない鉄を「軟鉄」と呼びます。軟鉄でも、同じ太さなら銅線よりは強度が高く硬いので、小型のニッパで切ると刃がかけます。

単線;電子工作で使用する配線材料には、単線とより線があります。単線は扱いやすく、ブレッドボードなどの配線にも使えます。何度も折り曲げると破断することがあります。また、被覆をむくときに線の表面に傷をつけるとたやすく破断します。

PX201;温度調節はんだゴテで、調節部分が一体化しています。同じ価格帯に白光のFX-600があります。どちらも交換用コテ先が入手しやすいです。100円ショップでもはんだゴテは購入できます。温度調節はんだゴテを使ったほうが、失敗が少ないように感じます。

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