OPアンプの怪 その4 Cがあると何が変わるか(3)

コンデンサを追加すると(その3)

 前回、NF回路の帰還部分の抵抗R2に、直列にコンデンサを入れました。100倍の非反転増幅回路回路をベースとしましたが、ここでは100倍の反転増幅回路で同様の実験をします。反転増幅回路のR2に、並列にコンデンサをいれた実験は第2回で行いました。

 C2を入れないときの周波数特性です。

C2 100pF

 非反転回路と同様に、低い周波数は増幅度が一定になっています。

C2 0.1uF

 非反転回路とほぼ同じ特性です。低域の増幅率が上がる周波数や増幅率も同じです。高域がきれいでないのは、ブレッドボードで回路を実験しているためだと思われます。非反転回路は、アルミ・ケースの中に入れています。

 反転回路では、40dBから0dBになるところまでの位相は約120°回っています。前回の非反転回路では、図から推測すると約100°回っているようです。前々回のときも反転回路のほうが約16°多めでした。

 非反転回路の特徴は入力インピーダンスが高いことです。つまり、インピーダンスが高いセンサをつなぐときに有用なのかもしれません。反転回路の入力インピーダンスは、R1の1kΩそのものなので低いですね。非反転回路のように、100kΩにしようと思うと、R2が10MΩになります。抵抗は1MΩ程度までを使うのが電子工作では一般的です。もちろん、数MΩまでは入手できます。それ以上は特別な製品です。

 このような高抵抗を使うと、消費電力の少ない回路になりますが、電流が極端に少ない=ノイズの影響を受けやすいことでもあります。なので、ブレッドボードなどでは動作が不安定になるかもしれません。

 反転回路は非反転回路より周波数特性が悪いのが特徴と教科書には書かれています。反転回路のカットオフ周波数は約60kHz、前回の非反転回路もほぼ同じでした。