5ドル!ラズパイ・ゼロ(Raspberry pi Zero)でIoT (1) ラズパイとは (Rev.C)
■LinuxというOSが動くマイコン・ボード
2015年暮れに発表されたRaspberry Pi Zero(以下、ラズパイ・ゼロ)は、5ドルという価格が衝撃的でした。さっそく米国のエイダフルート(Adafruit)に注文しました。2016年5月にカメラ・インターフェースの追加されたバージョン1.3です。2017年2月28日、Zero Wが発表、出荷されました。バージョン1.1で、Wi-FiとBluetoothが追加されました。価格は上がり10ドルです。
この記事は初代ラズパイ・ゼロを使っています。2017年2月24日に日本国内で販売が始まりました。写真は初代バージョン1.2、GPIOのピンヘッダをはんだ付けしています。
2018年1月末からGPIOのピンヘッダを取り付けた状態の製品Zero WHの出荷が始まりました。14ドル、日本では約1800円です。1回当たりの購入が1セットという制限はなくなるようです。
4種類のZeroを並べて写真に撮りました。
●OSはビジュアルな環境のラズビアン(Raspbian Jessie with PIXEL)
2016年9月25日に無償でダウンロードができるようになったLinux OSのラズビアンは、GUIツールが急速に充実し始めました。それまでの表示の遅かったWebブラウザがグーグルのChromiumに変わり、Youtubeがストレスなく再生できるようになりました。アドビのflashも入り、ニコニコ動画も見れるようになりました。バーチャル・サーバのVNCも搭載されました。
2月24日現在の初期画面です。
なんだか普通のPCになっています。
もともと教育用が出発点のマイコン・ボードですが、現在では産業用にも使われています。PCと異なるのは、GPIO(ジーピーアイオー)と呼ばれる40本の入出力(I/O)端子を利用できるところです。C言語ではHello Worldと表示できるのが入門の第一歩ですが、ラズパイではLチカができて、すべてが始まります。メニューにはプログラム言語が充実しています。オフィス関連ツールやゲームもあります。
●LEDをチカチカ(Lチカ)する準備
ラズパイ・ゼロ以外に必要なものを購入します。セットになっているものを購入するのも面倒が少ないです。
●SDメモリ
ラズパイ・ゼロのOSは、マイクロSDメモリに入れます。PCのハードディスクに相当します。class10という高速に読み書きできるモデルが必要です。class10の中にも、SDHCやUHSと書かれたデータの転送速度がとても速いモデルがありますが、ラズパイは対応していないので、class10と書かれていれば一番安価なモデルでかまいません。
OSは4Gバイト強の容量があります。8GバイトのマイクロSDメモリであれば、ユーザは3Gバイト以上が利用できます。Windowsとは異なり、アプリケーションをバンバン入れるということはないので、容量が不足することはありません。8GB自体安価ですが、安すぎないのを購入します。例えばアマゾンで購入するときの基準は、レビューが多く、評判の良いものです。
●HDMIディスプレイとケーブル
ラズパイは表示にHDMIの接続できるディスプレイを使います。最初の作業を行う時期には必要です。でも、その後は使い慣れたPCからリモートで操作できるので、一時的にテレビを利用することができます。
- 文字だけで操作する人はSSLを有効にする
- ラズパイの画面のままで操作する人はVNCを有効にする
いずれも、ラズパイの画面でチェックするだけです。そうすると、ラズパイにディスプレイがなくてもほかのPCから操作ができます。少し前までは、SSHはOSが動けば自動的に起動していましたが、ユーザ名pi、パスワードraspberryということは多くの人が知っているので、現行バージョンでは、SSHはOFFです。
2018年10月9日バージョンから、セットアップ中にパスワードの変更を求められるようになりました。
ケーブルは、HDMI-HDMIを使いますが、ラズパイ・ゼロはミニHDMI-HDMIケーブルが必要です。あまり一般的ではありませんから、ミニHDMI-HDMI変換コネクタを使うのがよいでしょう。
●USBハブ
ラズパイにはUSBのつなげられるコネクタが四つありますが、ラズパイ・ゼロは、マイクロUSBが一つだけです。現実は、これでは足りません。マウス、キーボード、無線のドングルをつなげるためには、最低三つのコネクタをつなげられるUSBハブが必要です。
Andoroidのスマホやタブレットと同じマイクロUSBのコネクタなので、
- OTG対応USBハブ
- OTG変換アダプタ+普通のUSBハブ
初期設定が終われば不要ですが、最低一つは用意しておきます。
●Wi-Fi用USBドングル
ネットワークとつなげるために、ラズパイで使えるUSBドングルを用意します。有線LAN用でもかまいませんが、2016年ごろからは、Wi-Fiの設定はとても簡単になりました。
小さいUSBドングルは発熱しやすいので、下記の少し大型の製品WLI-UC-G301Nがお勧めです。
●スタートするときに必要なもの---まとめ
次回はOSをインストールします。ダウンロードに時間がかかる場合があるので、https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/から、zipファイルをダウンロードしておいてください。
<次回のOSが動き始めるまでに必要> キーボード;PC用が使える マウス;PC用が使える ディスプレイ;HDMIが接続できるディスプレイもしくはテレビ 電源;電圧5V、電流1A。充電用が利用できる。電圧は5.2Vや5.3VでもOK。電流は2.5Aのように多めでもOK。接続する部分はマイクロUSB。 <電子工作に必要> ブレッドボード;小さいの。 ![]() ジャンパ線;いろいろ。先端の形状がオスとメス。 ![]() |
コラム ラズパイを支えるMaker、代表的な国内流通業者、低価格なパーツを入手
ラズパイ本体だけあるとそれだけで楽しいですが、物理的に光るものや動くものがコントロールできると、もっと楽しいです。日本の会社より海外で作られたパーツを利用することも多いです。
- 米国ニューヨークのエイダフルート
- 中国深センのシードスタジオ
- 米国コロラドのスパークファン
- ドイツのハイファイベリー
これらの製品と同機能の安価な中国製の製品がアマゾンやebayで販売されています。
国内で入手できる流通業者です。オリジナルのパーツもたくさんあります。
- スイッチサイエンス
- 秋月電子通商
- RSコンポーネンツ
- 千石電商
- 共立電子産業
- マルツ
海外だけど日本から購入ができる部品の流通会社です。中4日ぐらいで届きます。
- デジキー
- マウザー
香港などの電子部品の流通業者が、アマゾンやebayに出店しています。ヤフオクでも入手できるパーツもあります。価格は驚くほど安価なときがありますが、不良品も混じっている確率が高いので、レビューやお店の評価指標を参考にして買い物をします。最初は、送料無料で100円ぐらいのパーツを購入してみて、信用できる販売業者を見つけるとよいでしょう。
(Rev.B) 2017/3/10 ZeroのVersion1.3が日本国内で販売開始された直後、Zero W Version1.1が発売されたので、修正。
(Rev.C) 2018/2/1 Zero WH Version1.1が発売されたので、修正。