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初心者のためのLTspice入門の入門(1)(Ver.2) 入手方法とインストール

 本稿の初稿を公開してから2年経過し、LTspiceもLTspiceIVからLTspiceXVIIに変わりました。大枠は変わりませんが、リニアテクノロジー社のWebのページも新しいことが追加されています。LTspice入門の入門について、本稿のWebページなどを最新のものにして一部加筆修正しました。

LTspiceの入手とインストール
 LTspiceはリニアテクノロジー社が無償で提供している、SPICEベースの回路シミュレータです。この回路シミュレータは無償で提供されているにも関わらず、ほかの回路シミュレータのような回路のノード数などの制限がなく、無制限の利用条件で提供されています。また、リニアテクノロジーの提供する豊富なデバイスの利用回路がシミュレータのサンプル例として提供されています。初心者でもいろいろな回路のシミュレートを容易に体験できます。

リニアテクノロジーのデザインサポートのページにアクセス
 LTspiceをキーワードにしてインターネットのWeb検索を行うと「LTspice リニアテクノロジー」(Google)、「Linear Technology - デザイン・シミュレーション」(EdgeでBing)が上位に表示されます。その項目をクリックすると、次に示すページが表示されます。2017年11月現在、次のアドレスでアクセスできます。
 

   http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/

   
 このページのLTspiceの欄の「LTspice(Windows7,8 and 10版)をダウンロード」の「ダウンロード」をクリックして、ダウンロード処理に入ることができます。この他には「LTspice初心者ガイド」、ショートカット集、LTspiceのビデオを見るなど、このページからLTspiceの必要な情報入手することができます。

 

 「LTspice(Windows7,8 10版)をダウンロード」のダウンロードをクリックすると、次に示すようにMyLinearに登録してダウンロードするか、感謝なしにすぐダウンロードするか聞いてきます。筆者は感謝を示してからダウンロードしました。「No thanks, just download the software.」を選択しても、まったく同じLTspiceがダウンロードできるので、どちらかを選んでください。

 

MyLinearログイン
 リニアテクノロジー社のホームページの右下には、MyLinearへのログイン・ボタンが用意されています。MyLinearにログインすると、次に示すように右下のログイン・ボタンにHelloとログイン者の名前が表示されます。

 

 

 Mylinearにログインした状態で「LTspice(Windows7,8 10版)をダウンロード」のダウンロードを「No thanks, just download the software.」をクリックすると、何も聞かずにLTspiceのダウンロードを開始します。ダウンロードが完了すると、次に示すようにLTspiceXVII.exeのファイルがダウンロードされます。デフォルトではダウンロード・フォルダに保存されます。

 

LTspiceXVIIのインストール
 LTspiceXVIIの実際のインストールは、ダウンロードしたLTspiceXVII.exeをエクスプローラなどで表示し、マウスでダブルクリックなどして起動して行います。これら一連の作業は管理者の権限でPCにログオンして行います。
 LTspiceXVII.exeを起動すると、設定によってセキュリティの警告のメッセージが表示されます。LTspiceのインストールに伴うメッセージであることを確認したら、インストールを認めて次に進みます。

ライセンスの同意とインストール先フォルダの確認
 実際のインストールに先立って、次に示すライセンスに同意することが要求されてきます。ライセンスに同意して次に進みます。デフォルトでは、インストール先のフォルダがC:\Program Files\LTC\LTspiceXVII となっています。

 

 ライセンス条件を受け入れるとしてAcceptのボタンをクリックすると、次に示すようにBrowseボタン、Install Nowボタンが利用できるようになります。

Windows 7以降のUACによるセキュリティの強化
 LTspiceIVではWindows 7以降のUACのセキュリティ強化により、新たなモデルをlibファイルなどに追加、編集するなどの作業を行うときにセキュリティの制限を受け処理できない場合があります。LTspiceXVIIでは、ユーザのドキュメント・フォルダにLTspiceXVIIの名のフォルダが作られ、その中にシミュレーションに必要なファイルが用意されます。他社のSPICEモデルのデータなどは、こちらのドキュメント・フォルダ内のLTspiceXVIIフォルダ内に格納されます。

 筆者はトラブルを確認するために、デフォルトの状態でインストールします。インストールを開始すると、途中UACに関する注意喚起のメッセージが表示されますが、OKで答えて次に進み間もなく「LTspiceXVII has been successfully installed」とインストールに成功したとのメッセージを表示します。

 

 LTspiceXVIIからは、インストール後次のメッセージが表示され、ドキュメント・フォルダ内にLTspiceXVIIフォルダを作成し、ライブラリのファイルをそこへコピー中であることを示します。

 ドキュメント・フォルダにライブラリのコピーが終わったら、次のようにLTspiceXVIIの初期画面が表示されます。

 LTspiceはリニアテクノロジー社のWebページに新しい回路シミュレータ・モデルの有無や、新しいバージョンの有無をチェックし、新しいものがあると自動的にダウンロードして追加更新します。バージョンの更新状況は、次のメニューバーから?About LTspiceXVIIを選択すると

    Help > ?About LTspiceXVII

    
 次に示すように最終バージョンの更新日時がわかります。

 LTspiceはいつでも最新のバージョンとモデルが利用できるようになっています。次回からインストールされた回路シミュレータLTspiceXVIIの使い方を確認します。
 
 (2015/12/28 V1.0)
 (2017/11/7 V2.0)OSがWindows7->Windows10、バージョンがLTspice IV -> LTspice XVIIへの変更に伴い、加筆修正した。


 <神崎康宏>
 

連載 LTspice入門の入門

(1) Ver.2 入手方法とインストール
(2) LTspiceXVIIの起動
(3) LTspiceXVIIのシミュレーション手順
(4) 初めての回路入力 コンデンサと抵抗で回路図を作成する
(5) 初めてのシミュレーション AC解析
(6) グラフ表示を見やすくする方法
(7) 特性の変化を目視できる過渡特性のシミュレーション
(8) はじめての増幅回路シミュレート
(9) はじめての反転増幅器
(10) もうひとつの基本回路‥非反転増幅器
(11) オーディオ用に設計されたOPアンプOPA1622を利用する (1) SPICEモデルの入手
(12) オーディオ用に設計されたOPアンプOPA1622を利用する (2) .stepコマンドで負荷抵抗を変化

初心者のためのLTspice入門 オームの法則を確認する

(1) 抵抗の設定
(2) .measコマンド E/I=R
(3) .step .praramコマンド IR=E
(4) 電流源currentで過渡解析 I=E/R

初心者のためのLTspice入門 オームの法則で回路に任意の電圧を作る

(1) 抵抗分割