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初心者のためのLTspice入門の入門(10)(Ver.2) 非反転増幅器

もうひとつの基本回路‥非反転増幅器


 前回の反転増幅回路の入力回路を、次に示すようにマイナス側をGNDに接続し、プラス側を入力に入れ替えると非反転増幅器となります。次の回路図は、前回のテスト回路のプラスマイナスの入力端子を入れ替えただけですので、信号源インピーダンスは100Ωです。


非反転増幅器の増幅率
 非反転増幅器の増幅率について検討します。OPアンプのプラス/マイナスの入力が一致するように出力電圧が変化し、マイナス入力端子の電圧は入力信号電圧と同じになります。また、マイナス入力端子には電流は流れないので入力抵抗に流れる電流とフィードバック抵抗に流れる電流は同じになります。その結果、出力電圧Vinと出力力電圧Voutの比 Vout/Vinは(Ri +Rf)/Riとなります。

zu1c.png

 増幅率は、反転増幅器にした場合の増幅率に1をプラスした次のようになります。

   非反転増幅器の増幅率=Vout/Vin=1+Rf/Ri

非反転増幅器の周波数特性
 非反転増幅器の周波数特性を調べると次に示すように 反転増幅器の20dBをオーバしています。

 増幅率の部分を拡大すると、次に示すようにおおよそ20.8dBとなります。入力電圧が1Vですので増幅率を計算すると11Vになるはずです。増幅率の目盛をdBからV表示に変更すると、次に示すようにVoutは11Vになります。

 反転増幅器では信号源のインピーダンスが入力抵抗に追加され増幅率に影響を与えていました。非反転増幅器の増幅率の計算にはプラス側の入力抵抗が含まれていません。
 この非反転増幅器は100Ωの信号源インピーダンスを設定してあります。反転増幅器と異なり、信号源抵抗値が影響を与えないはずです。念のため、次に示すように信号源抵抗値を0にしてシミュレーションした結果もみました。

 シミュレーションの結果は、次に示すように信号源インピーダンスの影響はないようです。

 確認のため、表示をV表示にして拡大してみました。出力電圧は11Vと入力インピーダンス0のときと同じ値になっています。

 反転増幅器を利用する場合は信号源インピーダンスを考慮する必要があります。そのため、プラス/マイナスの二つの入力がある場合はそれぞれの入力に非反転増幅器を用意しその出力をOPアンプのプラス/マイナスの入力とする方法が用いられます。インスツルメンテーション・アンプ(計装アンプ)と呼ばれる三つのOPアンプで構成します。

(2016/3/31 V1.0)

(2017/12/29 V2.0)OSがWindows 7->Windows 10、バージョンがLTspice IV -> LTspice XVIIへの変更に伴い、加筆修正した。

<神崎康宏>

連載 LTspice入門の入門

(1) 入手方法とインストール
(2) LTspiceXVIIの起動
(3) LTspiceXVIIのシミュレーション手順
(4) 初めての回路入力 コンデンサと抵抗で回路図を作成する
(5) 初めてのシミュレーション AC解析
(6) グラフ表示を見やすくする方法
(7) 特性の変化を目視できる過渡特性のシミュレーション
(8) はじめての増幅回路シミュレート
(9) はじめての反転増幅器
(10) もうひとつの基本回路‥非反転増幅器
(11) オーディオ用に設計されたOPアンプOPA1622を利用する (1) SPICEモデルの入手
(12) オーディオ用に設計されたOPアンプOPA1622を利用する (2) .stepコマンドで負荷抵抗を変化

初心者のためのLTspice入門 オームの法則を確認する

(1) 抵抗の設定

(2) .measコマンド E/I=R

(3) .step .praramコマンド IR=E

(4) 電流源currentで過渡解析 I=E/R

オームの法則で回路に任意の電圧を作る

(1) 抵抗分割

(2) 抵抗分割で得た電圧に対する前後の回路の影響

(3) 抵抗分割で得た電圧に対する後回路の影響

(4) 電池の内部抵抗をシミュレーション

LTspiceXVIIはUNICODEに対応して日本語表示もできる

(1) LTspiceXVIIで日本語を表示

(2) 日本語表示をいろいろ試す

シミュレーション結果を保存しその結果を利用する

(1) WAVEファイルにする