Raspberry Piのイヤホン・ジャックにパワー・アンプを追加する

一番手軽な音声出力はイヤホン・ジャックから

 Raspberry Piでは四つの音声出力がサポートされています。

(1) イヤホン・ジャック(アナログ・オーディオ出力)
(2) HDMI(ディスプレイのスピーカ/イヤホンから音が出る)
(3) USB(USB-DAC(D-Aコンバータ)を外部につなぐ)
(4) I2S(GPIOのI2S信号を外部のD-Aコンバータに入力)

 I2Sは、こちらの記事を参照してください。

 ここでは、(1)のイヤホン・ジャック経由で音声を出します。

イヤホン・ジャックは4極

 一般のステレオ・イヤホンはφ3.5mmの3極です。次の三つの信号が用意されています

  • Right出力
  • Left出力
  • GND (共通。グラウンド)

 iPadなどでマイク入力が追加された4極タイプが使われ始めました。Raspberry Piでは音声以外にビデオ出力が足されています。Raspberry Piの4極イヤホン・ジャックの信号位置を次に示します。iPhoneやほかのスマホでは、Left/Rightの位置は同じですが、GNDとMic端子は入れ替わったりして統一されていません。

 左右の信号のグラウンドを別々に用意して4極として、名称が「バランス型」という使われ方もあります。回路の中でグラウンドは共通ですが、コネクタの部分でGNDを分離しています。ケーブルが長いので、左右のセパレーションなどの性能によい結果が出るようです。

 次の3点のうち上の2点の写真は、市販のはんだ付けをする4極イヤホン・ジャックです。一番下の4極イヤホン・ジャックは、はんだ付けせずにねじ留めで接続できるタイプです。実験に便利です。アマゾンで「3.5mmステレオミニプラグ変換 4極 オス 端子台」を購入しました。

5Vで動作するD級パワー・アンプ・モジュールを利用

 オーディオ用D級パワー・アンプは効率が良いので、従来の方式に比べて発熱が少なく、ここ数年で主流になりました。秋月電子通商で購入した「PAM8403D級ステレオアンプモジュール」を利用しました。入力にボリュームがついていて音量が変えられるので便利です。PAM8403はアマゾンでも購入できますが、香港などから送ってくるため、入手に10日ほどかかります。

 スピーカとの接続は「プッシュターミナル(端子台)」を使いました。スピーカ・ケーブルをワンタッチで確実に取り付けられます。これらをサブ基板に実装し、Raspberry Piの上に重ねる形で取り付けます。

 次の写真は動作しているところです。

配線

 パワー・アンプは3.0~5Vで動作します。GPIOのピン番号2番と4番に5V、6番にGNDが出ているので、リード線をつなぎます。

 各部品を取り付け、配線したサブ基板を次に示します。

Youtubeで音出し

 メニューから設定>Audio Device Settingsを選びます。このメニュー項目は2016-05-10版から搭載されました。

 bcmxxxx ALSAを選びます。USB DACなどをつなぐとこのメニューに出てきます。画面はMojoというUSB DACが見えている状態です。bcmxxxxをデフォルトとして設定します。

 Webブラウザを立ち上げ、youtubeを開き、音が出ることを確認しました。