最大1AのパワーLED用ドライバ・キット その1 組み立て

暗い廊下を照らそう

 筆者の1F廊下は、日中でも暗いです。南側にある部屋のドアを開けると明るくなります。もちろん天井に照明器具がありますが、人の手でON/OFFします。秋月電子通商で販売されている次のキット


  1000mA 可変定電流パワーLEDドライバーキット

を使って、暗いとLEDを点灯できるというのを実現しようと思います。もちろん、廊下の電灯を人感センサ付きLED電灯に変えればすぐに実現できてしまうのですが、消えるタイミングに違和感があります。

キットの内容

 小信号用のLEDは約20mAの電流を流します。1個でも明るいパワーLEDは、300mA以上流すのでとても明るいです。通常、一定の電流以上流れないようにするために、電流制限抵抗を直列に入れます。20mA程度なら発熱は少ないのですが、300mAだと比較的発熱は大きいです。

 抵抗で5Vの電圧降下を得るとすると、

  R= 5[V] / 0.3[A] = 17[Ω]
  電力 = 5[V] * 0.3[A] = 1.5[W]

 15Ωもしくは20Ωの3Wぐらいの抵抗が必要です。

 キットでは、一定の電流を流せるコントローラIC CL6807を使っています。0.1Ωの電流検出抵抗を使って電流を管理できます。電流はADJ端子の電圧で決められます。

 また、ADJ端子に光センサCdSを取り付けて、周辺が明るいときはLEDを消灯もしくは消灯に近くなるほど電流を少なくできます。

 部品の多くはプリント基板にはんだ付けされています。はんだ付けするところは少ないです。

はんだ付けの順番

 周辺の明るさを検知するCdSを、リード線1cmほどにしてはんだ付けしました。リード線を通すスルーホールはありません。

 次に、半固定抵抗をはんだ付けします。最後に、ターミナルをはんだ付けします。黒色のマジックで、GND側を塗ります。 CN1が電源なので電源と書いたシールを、CN2はOUTと書いたシールを貼りました。放熱器を取り付けて完成です。

動作確認

 半固定抵抗を左に回し切ります。パワーLEDは3Wを用意しました。順方向電圧は約3Vなので、電源は12VのAC-DCアダプタをつなぎます。

 データシートには、15V以上の電源を使うときは、突入電流が流れるときに高い電圧が発生するので、サージ・アブソーバなどを取り付けるように注意書きがあります。オシロスコープで観測した限り、高い電圧が出ているように見えませんでした。電源のインピーダンスが高いときに、高い電圧が出るかもしれないので、サージ・アブソーバTSV07D270KRを入れました。

 次の構成で接続しました。LEDはVf 3.2~3.6V 600mAの3Wタイプです。

  以降、電源電圧を変えながら、動作を確認しました。

電源電圧10V

 3WのLEDをつなぎました。

 半固定抵抗を左に回し切ったとき、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、110mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し250mA、CdSを手のひらで隠すと500mA流れました。

 次のLEDはVf 約10V 1Aの10Wタイプです。上面から観察すると9個のチップが実装されています。Vfから直列に3個、それらを並列につないでいるのかもしれません。

 半固定抵抗を左に回し切ると、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、104mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し260mA、CdSを手のひらで隠すと530mA流れました。

電源電圧12V

3W

 半固定抵抗を左に回し切ったとき、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、189mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し281mA、CdSを手のひらで隠すと545mA流れました。

10W

 半固定抵抗を左に回し切ると、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、106mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し260mA、CdSを手のひらで隠すと693mA流れました。

電源電圧15V

3W

 半固定抵抗を左に回し切ったとき、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、113mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し282mA、CdSを手のひらで隠すと507mA流れました。

10W

 半固定抵抗を左に回し切ると、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、106mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し275mA、CdSを手のひらで隠すと715mA流れました。

電源電圧24V

3W

 半固定抵抗を左に回し切ったとき、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、134mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し313mA、CdSを手のひらで隠すと679mA流れました。

10W

 半固定抵抗を左に回し切ると、電流は流れず、手のひらでCdSを隠すとLEDが点灯し、122mA流れました。半固定抵抗を右に回し切ると、常時点灯し295mA、CdSを手のひらで隠すと732mA流れました。