単電源OPアンプの計測
■最近のOPアンプはレール-ツー-レール
OPアンプの電源は通常プラスとマイナスの両電源で使いますが、どちらかの単電源でも利用できます。けれど、入力の回路構成によっては、0V付近の増幅が異常になることがありますが改良が加えられてきました。
古くからLM358は単電源用OPアンプとして有名です。最近の回路は±15Vような高い電圧ではなく5V付近の電源で利用することが多くなりました。そこで、下記の最近のOPアンプを使って、特性を見ます。
比較用LM358 | NJM8202 | AD8532AR | AD8506 | 比較用OPA1688 | |
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電源電圧[V] | 3~32 | 2.5~14 | 2.7~6 | 1.8~5 | 4.5~36 |
入力レール-ツー-レール | - | 0V~ | Yes | Yes | - |
出力レール-ツー-レール | No | Yes | Yes | Yes | Yes |
スリューレート[V/us] | - | 3.5 | 5 | 13mV/us | 8 |
GBW | 1MHz | 10MHz | 3MHz | GWP;95kHz | GBP;10MHz |
デフォルトでは1kHzのノコギリ波を入力しました。オシロスコープのオレンジ色が入力、青色が出力を観測しています。Analog Discovery 2 の電源機能で5Vと3.3Vを、発振器で0~5Vp-pと0~3.02Vp-pの波形を発生させ、入力につなぎました。
●LM358 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
変化の速い信号源では、0.7~3.7Vの範囲で使えます。したがって微小な電圧を扱うセンサなどのバッファには向いていません。
●LM358 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●LM358 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
●LM358 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●LM358 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 1kHz正弦波
●LM358 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 100Hz正弦波(-200mVスタート)
最小値は15mVからでした。
●NJM8202 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
電源電圧ぎりぎりまで出力電圧は出ていますが、入力と出力の関係は正しくはないです。
●NJM8202 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
データシートによれば、負荷は2kΩ以上で電源電圧までスイングします。
●NJM8202 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
●NJM8202 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●NJM8202 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 1kHz正弦波
●AD8532AR 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
●AD8532AR 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●AD8532AR 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ、負荷680Ω
●AD8532AR 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 正弦波1kHz
●AD8506 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ
●AD8506 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●AD8506 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷なし
●AD8506 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷なし、100Hz、正弦波
スルーレートが低いので、ゆっくりとした入力を観測すると、入出力共にレール-ツー-レールであることがわかります。
●AD8506 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷なし
●AD8506 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷680Ω
●OPA1688 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 負荷680Ω
●OPA1688 電源電圧3.3V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 負荷680Ω
●OPA1688 電源電圧5V ボルテージ・フォロア 負荷10kΩ 正弦波1kHz