手探り トランジスタの増幅回路 ⑨ 電流帰還バイアス その6 コレクタ電流2mA

 コレクタ電流を多めの2mAとなるように計算します

コレクタ電流

 基準としたエミッタ抵抗の部分から見ます。

  コレクタ電流 Ic + ベース電流 Ibe = エミッタ抵抗R4の電圧降下分 Vr4 / 抵抗R4

 ベース電流 Ibeはとても小さな電流なので省略します。

  コレクタ電流 Ic = エミッタ抵抗R4の電圧降下分 Vr4 / 1kΩ

<コレクタ電流2mA

 今までより増やしIc=2mAにします。

 エミッタ電圧Veは、2mA * 1k = 2V。それにVbe=0.6Vを加えたらベース電圧Vbになります。

  Vb = 2 +0.6 = 2.6V

  R2とR3を通して流れる電流は、ベース電流の10倍以上にするようです。

 ベース電流は、コレクタ電流/hFE = 2mA/200=10uAです。よって100uA流します。

 ベース電圧Vb=2.6Vなので、R3=2.6/100uA = 26kΩ R2=(5-2.6)/100uA=24kΩ

 負荷抵抗の両端の電圧は中間の2.5Vが適切なので、VR1=2.5/2mA=1.25kΩ付近にします。

 回路は右のようになりました。R2とR3 は、22kΩにしました。左は前の実験回路図です。

入力信号 正弦波1kHz 100mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。ピーク-ピークの電圧差は1.8Vなので、電流に換算すると、1.8/1.25k=1.44mAp-pになります。

入力信号 正弦波1kHz 200mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

 FFTです。ひずみがない?です。

 ボーデ線図です。高域は3MHz付近まで伸びているようです。

入力信号 正弦波1kHz 300mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

入力信号 正弦波1kHz 400mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

 

 FFTです。少しひずみが出だしました。

入力信号 正弦波1kHz 500mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

  ひずみが見え始めました。

入力信号 正弦波1kHz 600mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

入力信号 正弦波1kHz 700mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

入力信号 正弦波1kHz 800mVp-p

 上の黄色が入力、下の青色が出力です。出力は、VoとVccの電圧を測っています。

 FFTです。