ラズパイでアナログ電圧を扱う (3) 使用するパーツ
前回までの検討事項を踏まえ、ラズパイ用12ビット8チャネル・アナログ入力回路は下記のようになりました。チャネル0~3がシングルエンド入力用、チャネル4-5とチャネル6-7は疑似差動入力用です。
TL431の68Ωは電流を多めに流しているので、もう少し大きめの150Ω前後でも300Ω~2.7kΩがよく使われます。MCP3208のAGNDとDGNDはデータシートによれば、内部で低い抵抗を介してつながっているようです。
(※)2019/07/22 第7回でAGNDとDGNDを短絡することで、測定誤差を少なくできました。
●回路を組むラズパイ用基板
ラズパイの40ピンGPIOに挿して利用する基板は、ユニバーサル、バニラ基板などと呼ばれます。今回は秋月電子通商の製品「Raspberry Pi用ユニバーサル基板」を購入しました。写真の右の黒いのは、20ピン2列のピンソケットです。ラズパイのGPIOがそのまま刺さります。
8チャネルの入力を用意します。チャネルの半分をピンヘッダで、残り半分をターミナルで接続できるようにします。これは、実験で都合の良いほうを利用できるようにするためです。
ピンヘッダはシングルエンドで使うように、そのうち片方をGNDにつなぎます。
ターミナルは差動にするなら2組あればいいのですが、4組用意しました。ターミナルは2本入力があるのを連結して使っています。プリント基板に挿しこむ前に、ターミナル横にあるほぞを使って連結をしておきます。
それぞれをはんだ付けしました。電源ラインのGNDは黒色、3.3(+3V3)は黄色、+5Vは赤色と、異なる色のピンヘッダを使いました。色違いがなければ、入手の容易な黒だけでもよいと思います。
ICソケットはMCP3208を秋月電子通商で購入したときについてきたものです。この板バネ式以外に丸ピン・ソケットも市販されていますが、少し高価です。
●チェック
回路図に従って配線をします。配線が完了したら、まずテスタで次の項目をチェックをします。
- GNDと+3.3Vライン、5Vがショートしていないか
- 入力用のターミナル、ピンヘッダとICソケット各チャネルの接続を確認
- 入力端子の隣同士がショートしていないかを確認
- SPIの4本の信号線を、ICの端子とGPIOのピンでつながっているかを確認
確認がすんだら、入力部分などをクールガン(ピタガン)など用いて、樹脂で補強しておきます。
広がっているMCP3208の足の幅を狭め、ICソケットに挿しこみます。
製作した基板をラズパイのGPIOに挿しこみます。
TL431の出力をテスタで測り、2.5V前後になっていることを確認します。