ファンレスPCで24時間運転にチャレンジ (1) セットアップ

 今のPCはストレージにSSDを搭載していれば、電源を入れて利用できるまでの起動時間は大変短いです。用途によっては、サーバでなくても、長時間にわたって温度や電圧を監視したいことがあります。実用的な処理能力があって、24時間運用ができるPCを検討しました。

ファンレスPC

 ずっと動かしたままにするとき、ファンの音は気になります。そこで、ファンレスPCを探しました。その中で、J5005(Gemini Lake世代 Pentium)、J4105(Gemini Lake世代 Celeron)などが新しい世代の製品であることがわかりました。CPUはマザーボードに直接取り付けられて、大きめの放熱器だけのモデルと、ファン付きのモデルがあるようです。

 ここでは、ASRockのMini ITXマザーボード J5005-ITXをアマゾンから入手しました。メモリはSO-DIMMの8Gバイト1枚を購入しました。最大2枚まで利用できます。重いアプリケーションを動かさない場合、Windows10ならば4Gバイト以上、Linuxであれば4Gバイトで十分活用できます。

 ITXの電源は通常の24ピンです。STXのマザーボードでは19VぐらいのAC-DCアダプタが利用でき、電源のファンレスの運用が可能です。そこで、12Vから20ピンの電源ピンに変換するアダプタを利用しました。HDD用とSSD用の電源ピンも用意されています。12Vは5AのAC-DCアダプタを利用しました。この電源容量で十分かどうかは、後日測定します。

 ストレージはSATA接続のSSDです。ここで利用したマザーボードにはM.2コネクタはありますが、Wi-Fi用途と説明されています。

組み立て

 当初、金属製のケースは利用しません。したがって、ノイズはまわりに出ます。気になることが起これば対処しようと思います。
 仮組をします。20ピンの電源アダプタはマザーボードの24ピンのうち、古い時代の20ピン分に挿しこみます。コネクタの各ピンの形状を見比べると、挿し込む位置はわかります。4ピン分は別途用意されていますが、CPUの消費電力は少ないので、接続していません。

 HDMIインターフェースで解像度HD(1980×1080)のディスプレイへつないで使っています。

 Windows10をマイクロソフトのサイトからダウンロードし、USBメモリにコピーします。このUSBメモリをマザーボードのUSBコネクタに挿し込み、ピンヘッダのPower-GND端子(Panel1 PWRBT#とGND)を一瞬ショートして、マシンを立ち上げます。


 Windows10のインストール作業が始まります。プロダクトキーはなしで進めます。終了したら、Updateをかけて、最新の状態にします。

 HWMonitorをダウンロードしてインストールします。室温は21℃ぐらいです。アプリケーションを動かさない状態で、CPU温度は室温+15℃ぐらいを推移しています。

コラム 費用(執筆時)

  • マザーボード ASRock Mini ITXマザーボード J5005-ITX 15,000円
  • メモリ ノートPC用 DDR4 2400 8GB 6,000円
  • SSD STAT接続120Gバイト 3,000円
  • 電源 12V 5A AC-DCアダプタ 2,000円
  • Acouto [電源モジュール] 120W 20ピンATX電源スイッチモジュールボード 2,200円

 そのほかに、余っているPC用を流用。USBキーボード、USBマウス、LANケーブル、ディスプレイ

コラム マザーボードのスペック

  • CPU Intel 4コア J5005(1.5GHz、最大2.8GHz)+放熱器
  • フォーム・ファクタ Mini ITX(約17×17cm)
  • メモリ スロット数×2 DDR4 SO-DIMM 2400/2133 non-ECC
  • GPU機能 Integrated Intel UHD Graphics 605
  • グラフィック出力 HDMI、DVI-D、D-Sub
  • サウンド機能 7.1チャネルHD Audio(Realtek ALC892 Audio Codec)
  • ネットワーク PCIE x1 Gigabit LAN
  • SATA 6Gbps ×4
  • M.2 2230 WiFi/BT モジュール用
  • USB 3.1Gen1×2、USB2.0×2
  • PCIeスロット Express 2.0 x1