無線で高品位な音を飛ばす! CPI-WAM001モジュールの活用 (3) 音声入力ボードの製作

親機にA-Dコンバータをつなぐ

 ワイヤレス・ディジタル・オーディオ・モジュール基板CPI-WAM001の説明書に掲載されている、テキサス・インスツルメンツのA-DコンバータIC PCM1808を使ったライン入力のボードを作ります。

 PCM180xには何種類かのデバイスがあります。出力はいずれもI2Sを搭載しています。PCM1802、PCM1808はebayで安価なボードが販売されているのでそれを購入しました。

デバイス名 PCM1802 PCM1804 PCM1808
チャネル数 2 2 2
ビット数[bit] 24 24 24
サンプリング周波数[kHz] 96 192 96
ひずみ率THD+N[dB] 96 102 93
SNR 105 111 99
電源 アナログ5V、ディジタル3.3V アナログ5V、ディジタル3.3V アナログ5V、ディジタル3.3V

PCM1808のサンプリング周波数の設定

 サンプリング周波数fsは、8~96kHzに対応しています。システム・クロックは256fsの場合、それぞれ2.048…12.288…24.576MHzです。CPI-WAM001は48kHzに対応しているので、12.288MHzのクロックで動作させます。このクロックは、水晶発振モジュールをebayで購入しました。ピン番号は資料に書かれているのですが、名称がわかりません。形状が同じ秋月電子通商で販売している48MHzと同じと思われるので、実際に接続して出力が得られることを確認しました。

 256fsは、MD1、MD0の両方のピンを3.3Vに接続することで設定できます。この設定でPCM1808はマスタ・モードになり、BCLKはWCLK(fs)の64倍に固定されます。

 また、I2SインターフェースをI2Sフォーマットに設定するには、FMTピンをグラウンドにつなぎます。水晶発振モジュールの出力は、PCM1808のSCKピンにつなぎます。

  

ワイヤレス・ディジタル・オーディオ・モジュール基板CPI-WAM001とA-D変換ボードの接続

 電源は、5V、3.3Vとグラウンドをつなぎます。信号は次の3本です。

CPI-WAM001 ピン名称 CN3 ピン番号 PCM1808 ピン名称
SDI 1 DOUT
WCLK 2 LRCK
BCLK 3 BCK

  回路図はCPI-WAM001マニュアルから転載。信号の途中に入っているダンピング抵抗は省略しました。

 配線の様子です。ライン入力のレベルは3Vp-pなので、CD/DVD出力をそのままつなげられます。

I2S信号

 オシロスコープでI2Sの信号を観測します。MCLK(システム・クロック)が一番周波数が高いです。LRCLK(ワード・クロック)の立ち上がりからBCLK 1クロック遅れてDataが出ているのがわかります。

 時間軸を遅くします。

 時間軸方向を測定しました。LRCLKは約48kHzですから、サンプリング周波数fsと等しい値です。MCLKは12.288MHzですから、水晶発振モジュールそのものの周波数です。BCLKはサンプリング周波数の64倍の3.072MHzです。