フォノ・イコライザの組み立て (3) はんだ付けは失敗の連続

背の低い部品からはんだ付け

 マルツエレックから出ている、1万円を切るLPレコード用Phoneアンプ・キットを組み立てています。

  【LV2-PE-MK2-PCB】LV2-PE Mark2 フォノイコライザーアンプ<半完成基板キット>

 最初から、間違えました。はんだ付けのセオリは、背の低い部品からはんだ付けする、です。なので、抵抗をはんだ付けしていたのですが、本来取り付ける反対の面だと途中で気が付きました。仕方がないので、全部その面にはんだ付けしました。

 一つだけ、反対の面に取り付けました。それは、間違って注文した27kΩです。部品箱を探したのですが、27kΩはありません。22k+4.7kはテスタで測っても26.7kΩでしかないので、300Ωをつなぎ、実測27.02kΩとしました。RIAA回路なので、1%誤差であればOKでしょう。

 同じくRIAA回路の330kΩのチップ抵抗には、リード線をはんだ付けしたうえで、プリント基板に取り付けました。

 はんだ付けした抵抗は、回路図にマーカ・ペンでチェックを入れます。

 次はコンデンサです。確認のためにLCR METER DE-5000で容量を確認しました。入力の100pFは98pFです。出力の330pFは328pFです。どちらも容量が相当ずれても動作に影響のない部品です。RIAA回路の、

  • 2.7nFは2672pF、2640pF
  • 10nFは10.089nF、10.019nF

でした。 2640pFは誤差が大きいので50pFほど並列に足したいところですが、動作に支障はないのでそのまま進めます。

 電解コンデンサも小さいものからはんだ付けします。最後に残った470uFを基板に挿し込んでいるとき、背が高いのでICソケットを後からはんだ付けするのが苦しいと感じました。なので、先にはんだ付けしました。

 LEDをはんだ付けして、リード線をニッパでカットしたら、ガリっと嫌な音がしました。ニッパの刃を寝かし過ぎて、チップ抵抗を割ってしまいました。きれいに取り去り、1/4Wの金属皮膜抵抗をはんだ付けしました。LEDの電流制限抵抗なので、音には関与しない部品です。

 MCカートリッジ専用として利用する予定なので、MMの入力抵抗100kΩは取り付けていません。MM/MC切り替えスイッチも取り付けず、MCになるように、抵抗のリード線でパターンをショートしました。

最後に付属していたRCAジャック

 入出力のRCAジャック、電源用DCジャックをはんだ付けします。JSTの2Pコネクタは使わないので、はんだ付けしません。

動作チェック

 OPアンプは取り付けません。

 最初に、電源がショートしていないかをアナログ・テスタでチェックします。抵抗測定時、テスタから電流が回路に流れます。DMMだと電解コンデンサに充電される間、値がパラパラと変わってわかりずらいです。もちろん、はんだ付けを間違ってショートしているとすぐにわかりますが。

 アナログ・テスタは、充電中にもゆっくり針が動き、最終的に止まったときに0Ωでなければ、電源は正常だと判断できます。プラスとマイナスは、ICソケットの4ピンと8ピンでチェックするとわかりやすいです。

 実測しました。8ピンが約500Ω、4ピンはいったん数kΩになってから無限大になりました。

 つぎにDCジャックに12VのACアダプタをつなぎ、ICの4ピンと8ピンをDMMで電圧を測ります。

  • DCジャック 12.37V
  • 4ピン -11.59V
  • 8ピン 12.35V

 問題ありませんでした。マイナス電源を作っているLTC3261は、プラスの電圧から少し低めのマイナスの電圧を作ります。OPアンプの増幅回路では、電源のプラスとマイナス電圧の差は、動作に影響がありません。

 テストのために、汎用オーディオ用OPアンプNJM4580DDを入れてレコードを聴きました。

 すばらしい! DL103はMCカートリッジの中でも高い出力電圧なので、メイン・アンプのボリュームを絞らないといけませんでした。