充電器やAC-DCアダプタから取り出せる電流を測る <その1>100円ショップで購入したさいころ型
多くの電子工作で使われる各種ボードは、マイクロUSBコネクタで電源を配給することが増えています。コネクタ(Micro USB B Receptacle)のデータシートを見ると5Vの1Aもしくは1.8Aが一般的ですが、2.5Aや3Aを必要とする機器も多くなっています。
コネクタ自体にはんだ付けするのは接点が小さすぎて実験中にはずれそうで心もとないので、秋月電子通商で販売している
を改造して利用します。何も使われていないピンにVbusの+5VとGNDを引き出します。
100mAのヒューズが入っているので、ここをスキップします。φ0.8mmのスズ・メッキ線をバナナ・プラグにはんだ付けします。
この後、端子間に絶縁物を詰め込み、接着剤で固定しました。このバナナ・プラグを電子負荷装置の測定端子に直接挿し込んで測定しました。充電アダプタの出力を直接測定するのではなく、実利用時と同じようにケーブルをつないだ状態で測ります。
●電子負荷装置で電流を増やしながら電圧を測定
測定した充電アダプタ;<100円ショップで購入したさいころ型 G208。200円>5V-1A
◆測定結果
- 入力AC=99.6V
- USBケーブルA
- 備考;1.02A付近で急速に電圧は降下した。
- 入力AC=99.7V
- USBケーブルC
- 備考;1.02A付近で急速に電圧は降下した。
※充電用でもケーブルが長くなると電圧降下が見られる。Raspberry PiではUSBコネクタ部分で電圧が4.65V以下になると、画面右上に1cm角の虹色のアイコンが出る。CPUは3.3Vのレギュレータで降圧された低い電圧で動くので、4.5V程度では問題なく動く。ただし、USBキーボードなどの反応がなくなる場合がある。
●電子負荷装置で負荷をON/OFF
上が電圧、下が電流波形です。
500mAの時の波形です。発振しているようです。使用したケーブルはAです。ケーブルをつながないとき、ケーブルの種類によって、このように発振していない場合もあります。
300mAと700mAを交互に切り替えます。
●測定機器
◆菊水電子工業 電子負荷装置PLZ72W。電流値はDMMで測定したら2桁まで同じだったので本器の表示値を記録。電圧はDMMと誤差が大きかったので34461Aの読み取り値を記録。
◆Keysight ディジタル・マルチメータDMM 34461A
●USBケーブル (Vbus両端の抵抗値は34461Aの4wireで測定。コネクタの接触抵抗を含む)
- ケーブルA Volutz プレミアム 高耐久ナイロンMicro USB ケーブル【急速充電】1m 109mΩ
- ケーブルB Volutz プレミアム 高耐久ナイロンMicro USB ケーブル【急速充電】3m 194mΩ
- ケーブルC cheero Fabric braided USB Cable with micro USB 1m 111mΩ
(2016/05/25) DUTの型番をT362をG208に修正。