無線で高品位な音を飛ばす! CPI-WAM001モジュールの活用 (2) 親機と子機ボードの製作 

無線モジュールがサポートするCD品質の内容

 ワイヤレス・ディジタル・オーディオ・モジュール基板CPI-WAM001は、下記の3種類のサンプリング周波数に対応しています。データ長は16ビットのステレオです。これらのディジタル・データを無線で伝送します。

サンプリング周波数
 fs 
 [kHz]
 LRCLK
 (WCLK)
 =fs 
 [kHz]
 BCK
 (BCLK)
 =64*fs 
 [MHz]
 MCLK
 =256*fs 
 [MHz]
32 32 2.048 8.192
44.1 44.1 2.8224 11.2896
48 48 3.072 12.288

 

 今回利用したモジュールは次の2種類です。

  • CPI-WAM800/MI-I:親モジュール/I2S 入力/内蔵アンテナ タイプを搭載したCPI-WAM001/MI-I
  • CPI-WAM800/S-I:子モジュール/I2S 出力/内蔵アンテナ タイプを搭載したCPI-WAM001/S-I

 最初に、このモジュールに電源を用意します。最近は、USBの5Vがどこにでもあります。モバイル・バッテリも安価で入手しやすいです。AC100V用充電器も百円ショップで販売されています(300円ですが)。

 ユニバーサル基板にマイクロUSBコネクタを取り付け、5Vから3.3Vを得るための3端子レギュレータを配線します。モジュールの消費電流はWi-Fi機器としては約40mAと少ないので、500mAタイプを放熱器なしで使っても問題ないと思います。

製作

 ユニバーサル基板に手配線しました。3端子レギュレータはTA48M1033F、入力と出力には22uFと0.01uFのコンデンサを取り付けました。入出力装置に電源を配給するピンヘッダも取り付けました。

親機:CPI-WAM800/MI-I

子機:CPI-WAM800/S-I

配線用コネクタの仕様

 CPI-WAM800ボードには、CN2とCN3のピンヘッダが用意されています。それぞれの機能と役割を確認します。

◆CN2
 動作を確認するために最低限必要なのは、電源の2ピンです。

 そのほかの信号は、CPI-WAM001単独で利用する場合は制御する必要がありますが、CPI-WAM800ボードには実験するのに必要なペアリング確立スイッチやリンク確認用のLEDが実装されています。

番号 信号名 方向 備考
1 GND  -  グラウンド
2 VCC  入力  モジュール用3.3V
3 /PAIR  S-Iは入力  子機のペアリング要求。CPI-WAM800には基板上にSW1が搭載
4 /LINK  出力  リンク・ステータス。CPI-WAM800には基板上に緑LEDが搭載
5 -    VBUS
6 GND  -  グラウンド

◆CN3
 I2Sの信号が出ています。

番号 信号名 方向 備考
1  SDI  入力  MI-I  I2Sシリアル・データ入力
 SDO  出力  S-I I2Sシリアル・データ出力
 WCLK(LRCLK)  入力  MI-I I2Sワード・クロック
 出力  S-I
BCK  入力  MI-I I2Sビット・クロック
 出力 S-I
 -  - MI-I   何も接続しない
 MCLK  出力  S-I I2Sマスタ・クロック 
 GND  - グラウンド 
 /RSTOUT  出力  リセット出力

 MI-Iが親機、SI-Iが子機の略称です。

 親機には、マイクやA-D変換器からのI2S信号を接続します。子機には、I2S信号を受けて音を出すD-Aコンバータを接続します。利用形態を次に示します。