ヘッドホン・アンプ・キットで快適に (5) JPLAYふたたび

CPUを変える

 9月に下記のPCにJPLAYをインストールしました。

  • CPU;XEON  E5 2658 V3 12コア 2.0GHz
  • メモリ;DDR4 40Gバイト
  • ストレージ;SSD 128Gバイト
  • ビデオ・カード;GTX1060
  • マザーボード;ASRock X99 Taichi

 このあと、AMDが安価なメニー・コアであるRyzenを投入したことで、PC市場は一気に活性化しました。12月現在、Intelが泥縄式の対抗製品である第8世代を投入したことで、性能、コスト・パフォーマンスはAMDを超えてしまい、エンド・ユーザは安価でコア数の多いCPUを手に入れられる時代に入りました。

Ryzenはサウスブリッジがなくとも

 ひと昔、CPUはチップセットとしてノース・ブリッジとサウス・ブリッジを利用していました。その後ノース・ブリッジにあったDRAMコントローラなどの機能をCPUコアに取り込んだため、サウス・ブリッジだけがCPUの外にいます。

 筆者が今執筆に使っているIntel第5世代のLGA1150から最新の第8世代でも、PCIe 3.0、USB3.0/2.0、SATA3.0、LAN PHYはサウス・ブリッジにいます。グラフィック用にPCIe 3.0 x16がCPU側にあります。

 Ryzenは、PCIe 3.0 x16、M.2 NVMe 、SATA3.0、 USB3.0がCPUコアに含まれています。サウスブリッジとはIntelのような高速バスではなくPCIe 3.0 x4でつながれ、USB3.1/3.0/2.0、PCIe 2.0、STAT3.0などがサウスブリッジにいます。

 このあたりの違いが何に影響するかは、誰も興味がないのか、解説記事が見つかりません。

比較したIntelマシン

 一部のパーツを、新しいRyzenに持っていきました。下記の構成がIntelマシンです。OSはどちらのマシンもWindows 10 秋のアップデートを適用した1709です。

  • CPU;XEON  E5 2658 V3 12コア 2.0GHz
  • メモリ;DDR4 8Gバイト
  • ストレージ;SSD 128Gバイト
  • ビデオ・カード;Quadro FX 1800
  • マザーボード;ASRock X99 Taichi

新しいマシン

 前回、XEONの12コアのうち3コアしか動いていないように見えたので、4コアを選びました。

  • CPU;Ryzen 3 1300X 4コア 3.5GHz(->3.6GHz)
  • メモリ;DDR4 32Gバイト
  • ストレージ; NVMe M.2 512Gバイト
  • ビデオ・カード;GTX1060
  • マザーボード;ASRock AB350 Gaming K4

USBにつながる出力装置

 前回と同じく、XMOSのUSB-I2SボードとI2S-DACを利用します。

 XMOSインターフェース;DIYINHKのXMOS 768kHz DXD DSD512(DSD1024) high-quality USB to I2S/DSD PCB
 ドライバ;DIYINHK USB Audio Driver [Full Version and Signed]
 ドライバのバージョンは3.38で、執筆時点(2017年12月)ではバージョンは4に上がっていません。

 I2S-DACは、こちらの記事で使ったES9038PROを使いました。6V6の真空管アンプ->タンノイのエジンバラのスピーカにつなげて比較視聴しました。

JPLAYの設定

 前回と同じく、DIYINHKのXMOSユーティリティでUSB Streaming Mode はMinimum Latencyに、 ASIO Buffer Size は64 samplesにします。

 JPLAYSettingsパネルの設定も前回と同じです。

 2台のPCのUSBケーブルを差し替えながら、同じ音量、同じ曲を視聴しました。Intelマシンは落ち着いた感じです。Ryzenマシンは、音数が少し多めで、メリハリが少し良く感じました。3回目の入れ替えぐらいから差が明確にわかるようになりました。

 音質が向上した原因は、CPUだけではなく、マザーボードの設計や電源による違いも音質に影響があるかもしれません。