フォノ・イコライザの組み立て (7) 静粛電源で何が変わるのか

電源にこだわってみた結果は

 前回、スイッチング電源であるAC-DCアダプタの出力に、トランジスタによるリプル・フィルタとコモン・モード・フィルタとの併用(複合フィルタ)で、1MHzまでの帯域のノイズをほとんどなくしました。

 AC-DCアダプタをそのままつないだ状態に比べて、50dBm/Hzの雑音のレベルが異なります。実際にレコードをかけて何が異なるかを聴きます。何も変わらないかもしれません。

被視聴レコード

 ユニバーサルの「ビル・エバンス/ワルツ・フォー・デビイ」です。100% Pure LPというバージョンで、DSD音源からのダイレクト・トランスファ・カッティングという触れ込みのLPレコードです。個人的には、世の中にたくさんあるワルツ・フォー・デビイLPの中ではそれほどよい音質ではないと感じています。

 カートリッジはデノンのDL-103、アームはGRAY RESARCHのmodel 206、ターンテーブルはCollinsの200です。

電源切り替え

 電源をつなぎ替えて、レコードをかけなおすという視聴方法だと、まったく差がわからないのが常です。

 2回路のロータリ・スイッチでパチパチと演奏中に切り替えができるようにしました。12Vで統一できてはいませんが、ほぼ同一条件です。GNDも切り替えています。

視聴

 半日、切り替え、切り替えながら聞きました。

 12VのAC-DCアダプタ直接だと、ノイズが聞こえます。音の出ていない曲間全体にノイジですし、特有の100Hz付近の音が耳障りです。

 複合フィルタ出力とエネループは静かです。それ以上の違いを感じませんでした。

OPアンプによる違いはある?

 手持ちのOPアンプを挿し替えて聴きました。LPレコードは45rpm重量板「Norah Jones / come away with me」です。電源は、AC-DCアダプタ+複合フィルタです。

  • NJM4580DDとほとんど同じだった;OPA1688,OPA827,LME49860,OPA2134
  • 落ち着いた感じ;LM4562
  • 高域にシャリシャリ感があって聞きづらい;LME49990,AD8058,OPA1622,OPA6172
  • ふくよかで聞きやすい;THS4032

 大きな違いは、筆者の耳ではわかりませんでした。