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電子工作初心者のための基礎の基礎 電流と電圧を実感する(2)

電圧、電流、抵抗値の関係 オームの法則

1.5kΩの抵抗に電流を流してみる
 前回用意した抵抗のうち次に示す「茶色、緑、赤、金」のカラー・コードの抵抗にニッケル水素電池2本を直列に接続した電源の電圧を加えて、電圧・電流・抵抗値の関係を調べてみます。
 「茶色、緑、赤、金」は茶が1、緑は5、赤は10の2乗を示します。これを抵抗値の値にすると1500Ω(1.5kΩ)となります。金は5%精度のランクであることを示します。

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この抵抗の抵抗値をディジタル・マルチ・メータで測定する
 ディジタル・マルチ・メータの抵抗レンジで、1.5kΩと表示された抵抗の抵抗値を測定しました。

  1.5kΩと表示の抵抗の実測値  1.51kΩ

  

●抵抗に流れる電流と電圧の関係を調べる
測定のための回路
 電源は、2本の単三電池が入る電池ボックスから取り出します。

  • 電源のプラス側からのリード線を電流レンジに合わせたディジタル・マルチ・メータのプラスの端子に
  • ディジタル・マルチ・メータのマイナス側の端子を次に示すように抵抗のそれぞれのリードに接続

します。こちら側が電圧を測定するディジタル・マルチ・メータのプラス側となります。抵抗のもう一方のリード線がマイナス側となり、電池ボックスのマイナス側に接続します。
 これで、電池のプラス側から流れた電流は、電流測定のディジタル・マルチ・メータの内部を通り、抵抗を通り電池のマイナス側に戻ります。これで、抵抗に流れる電流と同じ量の電流が、電流測定のディジタル・マルチ・メータに流れます。

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 実際の測定の様子を次に示します。
 電流は1684μA、抵抗の両端の電圧は2.548Vと表示されました。

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◆電圧、電流、抵抗値の関係
 中学校の2年で習うで理科で「オームの法則」が出てきます。このオームの法則は電流と電圧、電流の流れやすさの指標となる抵抗値との関係を示す法則です。この関係をしっかり把握しておくことは、後々回路を作るときに必須な事項となります。
 同じ導体に加える電圧を増加すると、その導体に流れる電流も増加します。その関係は次のようになります。

  電流 = G × 電圧

 Gは導体に流れる電圧と電流の関係を示す比例乗数で、導体の物性によってそれぞれ決まります。鉄より銅のほうが電流が流れやすいので、このGの値も大きくなります。このGの値は大きいと電流が流れやすいことを示し、コンダクタンスと呼ばれます。電流の流れにくさを示す抵抗をこの逆数を用いて表します。そのため、電流(I)と電圧(E)と抵抗(R)の関係は次のようになります。

  電流(I) =(1/抵抗(R))× 電圧(E)

 電流、電圧、抵抗のうち二つがわかれば、残り決まります。それらの関係は次のようになります。

I = E / R
E = I × R
R = E / I


I : 電流
E : 電圧
R : 抵抗


 この関係がわかると、電圧が決まっている場合、希望する電流を流すための抵抗の値を求めたり、電圧と抵抗が決まっている回路でそこに流れる電流を求めたりといろいろなことができます。
 
●実測値とオームの法則の関係を確認
 今回、1.5kΩと表示された抵抗に加わった電圧、抵抗に流れる電流、抵抗の実測抵抗値が次のように求められました。

電圧値 Er : 2.548V
電流値 Ir : 1684μA=0.001684A
抵抗値 Rr : 1.51kΩ=1510Ω


Er / Rr = 2.548V / 1510Ω= 0.001687A  実測値 0.001684A
Ir × Rr = 0.001684A × 1510Ω=2.543V   実測値 2.548V
Er / Ir  = 2.548V / 0.001684A =1513Ω  実測値  1.51kΩ


 二つの値から計算で求めた値と残りの実測値とは3桁の値まで一致しています。今後この関係はいろんな場面で利用することになります。

<神崎康宏>

(2015/12/22 V1.0) 

バックグラウンド

ディジタル・マルチ・メータ;本文で使用しているのは電池で動作するポータブル・タイプです。AC100Vにつなぐ据え置き型(ベンチトップ・タイプ )もあります。ポータブル・タイプは液晶表示器を使っているので、消費電力も少なく、モデルによって半年から数年、電池を替える必要はありません。据え置き型はLEDや蛍光表示管がよく使われ、遠くから読み取りやすいです。最近は、6インチぐらいのカラー液晶も採用されています。

10の2乗;数式では102ですが、電卓などでは10*10もしくは10^2で計算できます。

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