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Raspberry Piでコマンドをゆっくりマスタしよう (11) nano テキスト・エディタ

■テキスト・ファイルの修正に使うエディタ

 edというエディタやスクリーン・エディタではviが有名ですが、どちらも、使いずらいです。RASPBIAN JESSIE 2016年5/10版にはソフト開発に向いたエディタgeanyが入りました。GUIアプリケーションです。

geany.png

 nanoは、キーボードの矢印キーが利用できるスクリーン・エディタで、コマンドが少ないので、すぐに使い方を覚えられます。また、SSHやTelnetのように外部(WindowsやMac、別のLinuxマシン)からリモート・アクセスする際も利用できるので、設定ファイルなどの修正によく利用されます。

nano01e.png

nanoの操作

 例として、Raspberry Pi でよく利用する/boot/config.txtを編集します。

 Raspberry Piのターミナルを立ち上げて、次のコマンドを1行で入力します。

nano  /boot/config.txt

 カーソルを動かして、最下行に移動します。1行追加します。打ち込んだ文字は常に挿入され、BSキーでカーソルの左の文字が消えます。Windowsなどのメモ帳と操作は同じです。

arm_freq=1000

 CPUのクロックを1GHzに変更する設定を追加しました。

nano02.png

 CTRLキーを押しながらコマンドを入れます。画面の下の行に出ています。がCTRLキーとともにという意味です。CTRL+ と記述しても同じ意味です。 

CTRL+O #書き出し(保存)

nano03.png

 書き出すファイル名が表示されるので、そのままリターンを押します。しかし、このディレクトリのファイルはユーザpiの権限では書き込めません。CTRL+Xコマンドで、いったん終了します。

nano04.png

 CTRL+X #終了

nano05.png

 管理者権限でnanoを立ち上げます。1行で入力します。

sudo nano  /boot/config.txt

 さきほどと同様に arm_freq=1000 の1行を書き込みます。

nano06.png

 今度は正常に保存が実行されました。

 再起動すると、今までデフォルトの700MHzや600MHzではなく1GHzで立ち上がるようになります。高温の環境などで利用するときカーネル・パニックになる場合は、元に戻してください。立ち上がり時にshiftキーを押しておくと、デフォルトのクロックで動きます。

nano07.png

●WindowsからSSHでリモート・ログインして使う

 Tera Termはリモート・アクセス・ソフトの中で一番よく使われます。Tera Termを立ち上げると、ホストの欄につなぎたいマシンのIPアドレスを入れます。

tera01.png

 セキュリティ警告が出ますが、何も変更せず続行を押します。

tera02.png

 ログイン画面が出ます。デフォルトだと、ユーザ名はpi、パスフレーズはraspberryです。

tera03.png

 RASPBIAN JESSIE 2016年5/10版では、SSHプロトコルはインストール時に有効になっていますから、次の画面が出て接続が確認できます。

(※)2016-11-25版からデフォルト無効になっています。有効にする画面はこちらです。I2CやSPIと同じくEnabledにチェックを入れ、再起動します。

(※)2018-10-09版では再起動なしでsshは有効になります。

tera04.png

 nanoを起動します。1行で入力します。

sudo nano  /boot/config.txt

tera05.png

 Raspberry Piのターミナルで操作しているのと同じ画面が出ます。

tera06.png

  画面の大きさは、ウィンドウの右下をポイントして、拡大/縮小ができます。

tera07.png

バックグラウンド

/boot;SDメモリに入っている/bootディレクトリはWindows環境でも読み書きできるフォーマットですから、Raspberry Piが立ち上がらない環境でなくても編集できます。

config.txthttp://elinux.org/RPiconfigに解説があります。

連載メニュー Raspberry Piでシェル・コマンドをゆっくりマスタしよう

(1) pwd いま、私はどこにいるの?

(2) df あといくつ空いている?

(3) cd ディレクトリ間をうろうろする

(4) cat ファイルの内容を表示

(5) top ps kill プロセスの表示、削除

(6) scrot  画面キャプチャ

(7) CPUの温度

(8) ifconfig ip iw 私のIPアドレス

(9) apt-getで日本語化

(10) ls dir lsusb ディレクトリ情報、USB機器の接続状況

(11) nano テキスト・エディタ

(12) GPIOポートをアクセスするgpio コマンド

(13) ping IPアドレス