Raspberry Pi とVolumioで最先端オーディオを楽しむ その3 Volumio2を立ち上げる(Rev.C)

インストール作業はSDメモリ・カードにダウンロードしたファイルを書き込むだけ

 Raspberry PiではOSにRASPBIANを入れるのが一般的です。このOSの環境で音楽を聴く専用のプレーヤ・ソフトにはVLCなどがありますが、あまり選択肢がないです。今回は使いません。

 Volumioというのは、Linuxに音楽サーバ機能として必要なソフトウェアを入れたディストリビューションです。Raspberry Piをまるごと音楽専用サーバにしてしまいます。ボード類が低価格なので、専用マシンを作るわけです。ディストリビューションとは、LinuxのOSに、用途に合わせてドライバやアプリケーションをセットにしたパッケージです。

 Volumioはバージョン1.55で広まりました。ここでは新しいVolumio2を利用します。音質は向上しているといわれています。Volumio 1.55自体は、もともとハイエンドのオーディオ再生環境に迫る品質があるといわれていました。

  作業手順は次のように少なく、すぐに完了して音楽を聞くことができます。

  • Volumioをダウンロードする
  • マイクロSDメモリにVolumioを書き込む
  • マイクロSDメモリをRaspberry Piに挿しこんで電源を入れる
  • パソコンのWebブラウザにIPアドレスを入れると操作画面が表示される
  • PLAYBACK OPTIONSでI2SのところをI2S-DACボードに合わせて再起動
  • USBメモリやNASの内容を表示し、聞きたい曲を選択する

●STEP1 WindowsでSDメモリを用意して書き込みを行う

 カード・リーダ/ライタを用意します。マイクロSDメモリ・スロットがあればよいのですが、SDメモリ・スロットだけなら、アダプタを使います。

SD-adapter.png

 SDメモリをスロットに挿し込んだとき、エクスプローラに表示されたドライブ番号をメモしましょう。SDメモリへの書き込みはエクスプローラを使わず、Win32DiskImagerというソフトウェアをダウンロードし、インストールしたのち利用します。

 Volumio2をダウンロードし、ダウンロード・ファイルをダブルクリックして解凍します。デスクトップにコピーすると解凍でき、拡張子がimgのファイルができます。

 ダウンロードのWebページ VolumioのWebサイトのGet Started

 Win32DiskImagerを立ち上げて、デスクトップにあるimgファイルを読み込みます。

SD01a.png

 Deviceはimgファイルを書き込むドライブで、メモしておいたSDメモリのドライブ番号(アルファベット)に合わします。

 Win32DiskImagerのImageFileの欄にimgファイルが入りました。「Write」をクリックし書き込みます。書き込みは、転送速度の速いSDメモリだと数分、そうでないときは10分弱かかります。class10のなかにも高速バージョンとそうでない製品があります。パソコン利用時は転送速度に差が出ますが、Raspberry Piで利用するときに差はありません。

 終了したらExitでWin32DiskImagerを終了し、マイクロSDメモリをカード・リーダ/ライタから取り出し、Raspberry PiのSDスロットに入れます。

 最初にSDスロットに差し込むときは、引っ掛かりがあるので、強引に差し込まないでください。何度か抜き差しするとスムーズに挿入できるようになります。2BやB+は取り出すときは、一度軽く押すと飛び出てきます。Raspberry Pi Zeroからばねがなくなりました。3Bも同じです。Zeroと3Bは、取り出すときはただ引き出すだけです。

 ここまでの手順は、Raspberry Pi にRASPBIANのOSを入れる手順とまったく同じです。

STEP2 ハードウェアのセットアップ

 電源は余裕をもって電流容量が約2.5A以上のAC-DCアダプタもしくはスマホの充電器を用意します。1ポート2.4Aの充電器であれば余裕があります。USBケーブルのつながるモバイル・バッテリでもよいです。動き出せば、キーボードは必要ありませんが最初はつないでおきます。選曲や曲の登録をするにはネットワークにつながっている必要があります。登録している曲を鳴らすだけなら、ネットワークも必要ありません。

※テストだけなら5V-1Aの電源でも動きます。画面右上に小さな虹色の四角なアイコンが出たら、5Vの電圧が低下しているというアラートです。USBケーブルを短いものに変えてみてください。

 最初のセットアップには、

  • Raspberry Pi 本体
  • USBキーボード
  • 有線LANケーブル
  • HDMIケーブルとLCDディスプレイ
  • マイクロSDメモリ

が必要です。

 動き出せば、電源をアナログ・タイプに変える、無線(Wi-Fi)にするなど、こだわりによって変更します。Wi-Fiが使えるようになれば、

  • Raspberry Pi 本体
  • I2S-DAC
  • Wi-Fiドングル
  • 電源

だけのシンプルな構成になります。3BだとWi-Fiドングルさえ不要です。次の写真は、USBやLANは何もつないでなく、音楽の再生ができています。

3B.png

 Raspberry Pi上に、40ピンのコネクタを合わせてI2S-DACを重ね、挿し込みます。RCA出力にアンプをつなぎ、アンプのボリュームは絞り切っておきます。

 USBのいずれかにUSBメモリとキーボードをつなぎます。HDMIケーブルでディスプレイとつなぎます。

 以上で準備は済みました。

setp02.png

STEP3 電源を入れれば、Volumio2が動き出す

 マイクロUSBに電源をつなぐとOSが起動します。ディスプレイには様々なプログラムが起動し、設定が自動で行われている様子が表示されます。1回目は立ち上がりに少し時間がかかりますが、2回目からはすばやく立ち上がります。

 以下の手順は、ネットワーク上でRaspberry Piが見つからない場合の手順です。

 キーボードのEnterを1回たたきます。画面にログイン表示が出ます。

volumio login : volumio

Password: volumio

volumio2volumio:~$ 

ユーザ名がvolumio、パスワードがvolumioでログインできます。プロンプトが出ていますので、ifconfigと入れます。eth0の項目にinet addr:192.168.xxx.xxxとDHCPサーバからふられたIPアドレスが表示されます。メモしておきます。会社だと10.xxx.xxx.xxxかもしれません。

◆設定は、Webブラウザから行う

 WindowsのWebブラウザを立ち上げ、URLアドレスの欄に http://volumio.local といれればVolumioの画面が出るといわれています。思うように見つからなかったらばURLにさきほどメモしたIPアドレスを入れます。

 Volumioの操作画面が出るので、右上の設定メニューのアイコンをクリックします。

vol01.png
 最低限、設定するのは「PLAYBACK OPTIONS」です。

vol02-a4d60c8c.png
 PLAYBACK OPTIONS画面の一番上の項目Audio Outputで、I2S DACの項目を設定します。最初に、I2SをOff->Onに変更します。Saveボタンを押します。I2S-DACボードによっては、最初に自動で設定されている場合があります。

vol03-945e8372.png

 一度リブートします。設定のアイコン一番下にあるSHUTDOWNをクリックして、Rebootを押します。

 数分待っていると、くるくる回っていたアイコンが止まり、操作画面が出ます。

 設定のPLAYBACK OPTIONSにDAC Modelの項目が現れるので、利用するI2S-DACボードを選択します。

  •  HiFiBerry+(PCM512x)のボードはHifiberry DAC Plus
  •  ES9023のボードはGeneric I2S DAC

を選びます。自動で探す機能がありますが、うまく機能していないと思われたら、Generic I2S DACを選びます。

 Saveして、設定メニューのSHUTDOWNからリブート(再起動)します。

 Output device がAudio Jack からHifiberry DACに変わっていることを確認します。

vol04a.png

STEP4 曲をQueue(キュー)に入れて音出し開始

 右上の設定メニューからMY MUSICを選択します。

 My Music画面の左下にあるRescanを押すと、接続されている機器から音源を探してきます。次に、左下のBrowseをクリックします。

vol08-667a440d.png

 Music Libraryをクリックします。

 USBが見えます。1回クリックします。

vol10-24ef7b79.png

 USBメモリが二つ挿さっているので、2種類見えます。音源が入っているほうを1回クリックします。
vol11-442681d3.png

 音源やフォルダが見えます。アルバムが入っているフォルダをまとめて演奏リストに入れましょう。Bill Evans Trioの右端にある設定アイコンをクリックします。

vol12-d2c733f1.png

 Playをクリックします。フォルダの中身がQueueに登録され、最初の曲の演奏が始まります。クリックした曲が終わると、Queueに入っている後の曲も、順番に演奏されます。

vol14-212b4018.png

 画面下中央のPlaybackをクリックします。演奏が始まりました。Hifiberry DAC Plusでは、ICに内蔵された電子ボリュームが働いて画面右のボリュームをマウスで動かすと音量が変わります。ES9023のように電子ボリュームのないI2S-DACの場合、ソフトウェアでボリュームの調整ができるようなスペックになっているようですが、もし音量が変わらなかったらパワーアンプのボリュームで音量を調整してください。

vol15-27a5cd93.png

日本語メニューが選べる

 7月1日付けRC2Hotfixから、メニューの表示に日本語が選べるようになりました。その後0.979で新しいメニューも日本語化されたようですが、リリース版の2.000で追加されたいくつかのメニューは日本語になっていません。変更するには、設定メニューAPPEARANCEを開きます。

 上部にあるLanguageはデフォルトでEnglishなので、Select Languageの項目にある三角のアイコンを押して、「日本語」を選び、Saveします。すぐに日本語のメニューが有効になります。

 また、Theme Settings(テーマの設定)では、Select Bbackground(背景の選択)で、画像を選べます。さらに、Click and select new background or drop it here(新規の背景をクリックして選択するか、ここにドロップ)で、任意の画像を背景に使うことができます。

●ネットワーク上にあるNASを活用

 ネットワーク上のファイル・サーバNASを利用すれば、USBメモリに入りきらない音源を管理できます。設定メニューからMy Musicを選びます。画面は、すでに1台のNASをつないでいます。Add New Driveをクリックして追加します。

  NASや共有ディレクトリのあるPCを探してきます。

 利用するNASを選び、公開されているフォルダをクリックします。

 公開フォルダshareの設定項目が有効になります。

 右下のSave押して追加されればそれでOKです。

 左下Browseがアニメーションして、音楽データが追加されます。NASへアクセスするときにパスワードを要求するような設定をしている場合は、赤いゴミ箱の右にある鉛筆アイコンから設定項目を詳細に編集ができます。

Volumioのマシン自体にも音源を保存できる

 PCからネットワークの項目を見ると、VOLUMIOというマシンが見えます。クリックすると、Internal Storageが公開フォルダとして見えます。ここに音源をコピーして利用することもできます。

 Volumioから利用するときは、右下のBrowseをクリックすると、NAS、USBのほかにINTERNALの項目が見えますから、ここから再生する音源を選びます。

(Rev.C)  2016/10/15 10月13日付け2.000、正式バージョン2リリースによる本文全体の修正。