約1万円の測定器OpenScope MZ (2) 初期設定手順

GUIで手軽に実行できる初期設定

 秋月電子通商で購入できるOpenScope MZは、購入直後、次の項目を設定します。10分ほどの時間で終了します。

  • ソフトウェアDigilet Agentのインストール
  • キャリブレーション
  • Wi-Fiのセッティング

 初期設定がすむと、モバイル・バッテリをつなぐだけで、OpenScope MZが利用できます。いままで測定器とはケーブルの接続があるがゆえに設置場所に制限がありましたが、そのわずらわしさから解放されるのは特筆ものです。

STEP1 Digilet Agentのインストール

 Digilentのサポート・ページに行きます。OpenScope MZ - Setupのページ(https://reference.digilentinc.com/learn/instrumentation/tutorials/openscope-mz/setup)からWindows用のプログラムDigilet Agentをダウンロードします。

 ダウンロードしたファイルは、フォルダのダウンロードに入っているので、ダブルクリックします。

 インストール中の様子です。インストールされる場所は、デフォルトでC:\Program Files (x86)\Digilentです。

 インストールが終了したら、マイクロUSBケーブルで、OpenScope MZと接続します。

 PCと画面右下のタスクバーの中にDigilet Agentの起動アイコン(Dの文字)があるので、右クリックして「Lauch WaveForms Live」を選択します。

  Webブラウザが立ち上がります。デフォルトでデモ版(Simulated OpenScope MZ)のメニューが見えています。この画面をDevice Managerと呼ぶようです。

 画面の上部にあるADD A DEVICE の三角アイコンをクリックして三つのメニューを出します。AGENTをクリックします。

 http://localhost:42135 というのが見えているので、右の+アイコンをクリックします。

 COM1の項目の三角アイコンをクリックし、仮想COMポートを表示します。

 筆者のPCではCOM15につながっています。

 ここで、ファームウェアの更新するようにパネルが出ます。

 OKを押すと、最新のバージョンが表示されます。ここでは1.37です。

 右の三角アイコンを押すと、歴代のバージョン・リストが表示されます。1.4というのが見えますが、どうも1.37のほうが新しいようです。

 右下の「UPDATE」をクリックして更新します。

 更新が終わりました。

 キャリブレート(校正)をするようにとパネルが出ます。


STEP2 キャリブレーション

 ケーブルが2本必要です。オス-オスのジャンパ・ケーブルを用意し、

  • オシロスコープのCh1(オレンジ色)と電源のDCOUT1(赤色)
  • オシロスコープのCh2(青色)と電源のDCOUT2(白色)

をつなぎます。

 右下のBEGINをクリックすると校正が始まります。

 接続を間違えたようです。2本のジャンパ線を接続先を確認してつなぎなおします。

 校正中です。

 校正が完了すると、その情報の一部が表示されます。SAVEをクリックし、右下のDONEで終了です。

STEP3 Network Settings(Wi-Fi)のインストール

 OpenScope MZ は、技適の通ったWi-Fiモジュールが使われています。家庭内のWi-Fiルータに接続します。 右下のSETUP WiFiをクリックして設定を始めます。

 左側のエリアにWi-Fiルータが表示されます。

 Available Networksの下のクルクル・アイコンを押すと、Wi-Fiルータを見つけてきます。

 その中の一つを選びます。設定画面が出るので、Password(SSID、パスフレーズ)を入れます。

 登録できました(右側)。

 IPアドレスが振られています。

 右下のDONEをクリックして、設定が終了します。

 画面左に二つ目のメニューができました。ここをクリックして、オシロスコープを起動できます。ただし、COMポート経由になるので、USBケーブルをつないでおかなくてはなりません。

STEP4 単独で動作する設定

 PCとマイクロUSBケーブルをつながず、Wi-Fiでデータをやり取りする設定をします。

 初期画面の一番上にあるADD A DEVICE の三角アイコンをクリックして三つのメニューを出します。NETWORKをクリックします。

 http://の欄は、Wi-Fiのところに表示されていたIPアドレスを入れます。

 Device Managerの画面にIPアドレスの項目が追加されました。3点アイコンの設定をクリックします。

 Configureを選びます。

 確認だけすればよいのですが、NameをHostnameからWebに変更しました。

 OpenScope MZからマイクロUSBケーブルを抜き、モバイル・バッテリのマイクロUSBコネクタをつなぎなおします。

 名称をWebに変更したパネルをクリックしてオシロスコープ画面を出します。

 ①発振器のWavegenの電源を入れ

 ②SINGLEをクリック

して波形を表示した状態です。

 Wavegenの波形をサイン波から方形波に変更し、オシロスコープのCh2をONにしました。このWebページの最初の写真のように、 Ch1とCh2の間にはローパス・フィルタを入れています。次回解説します。