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はじめてマイコン・ボードArduinoを使ってみる (1)

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マイコン・ボードArduinoの開発は無償ツールで行える

 今では電気を利用したものはみんな賢くなり、マイコンを内蔵しているのが当たり前になりました。ここでは、2005年にイタリアで産声をあげ、広く世界で利用されて、コンピュータや電子工学の専門家以外にデザイナ、教育、電子工作などの分野などにも広い支持を得ているArduinoと呼ばれるマイコン・ボードを利用して、初めてマイコン・ボードに触れる方を対象とした入門シリーズとする予定です。 


Arduinoの情報は公式ホームページ

 Arduinoのマイコン・ボードを利用する情報は次に示すArduinoの公式ホームページから無償で必要な情報を入手することができます。


 2015年12月現在、Arduinoの開発グループの分裂により、二つのグループに分かれています。当面、従来からあり、内容が充実しているhttp://www.arduino.cc/のホームページを利用し必要な場合はもう一方も参照します。早く解決して利用者に迷惑がかからないようになることを願っています。 

  arduino1-2.jpg


●Arduino IDEでプログラムを作る

 ダウンロードしたArduino IDEでArduino マイコン・ボードで使用するプログラムを作り、プログラムの形式上のエラー・チェックを行い、マイコン・ボードに書き込むためのプログラムにコンパイルすることができます。

  • マイコン・ボード Arduino
  • ディジタル入力・出力

 Arduinoのマイコン・ボードには、LEDを点灯/消灯するなどのようなスイッチング作業を行うことのできるディジタル出力ポート、スイッチがONかOFFかなどを確認できるデジタル入力ポートが用意されています。

アナログ入力
 センサなどから出力される測定値に比例した0~電源電圧までの連続的に変化する電圧(アナログ出力電圧)を読み取り、0~1023の数値に変換するアナログ入力となります。アナログ入力ポートは標準的なArduinoマイコン・ボードでは5ポート用意されています。
アナログ出力
 LEDの点灯時に0~255の値に応じて0の消灯から数値の増加に応じて明るさが増加し、255の値を設定したときに最大の明るさになるような出力方法が、アナログ出力として用意されています。

 ポートの出力電圧値を0V~出力電圧まで徐々に256段階であげていきますが、具体的な手法はPWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれる方法が用いられています。後ほどPWMについては詳しく説明します。ここではArduinoのアナログ出力を利用してLEDの点灯時の明るさ、モータのスピードなどの制御が容易にできるということを覚えておいてください。
 このアナログ出力ポートはディジタル・ポートを利用して出力します。
 
Arduino入門(1)ArduinoでLEDを点滅してみる
 まず、マイコン・ボードで何かしてみましょう。定番ですが最初の作業としてLEDをArduinoで点滅させてみます。点滅の間隔などを変えてマイコン・ボードで何かするときにどうすればよいか体験してみます。

 今回行うこと;
 

arduino1b.png
 
 以上の5段階を順に追っていきます。


準備するもの

 このテストに利用する部品は次に示すように、Arduino Unoマイコンボード、LED、100Ω、300Ω、330Ωのカーボン抵抗、抵抗値はこの範囲のものであれば利用できます。同一の値でなくても実験はできます。配線のためのジャンパ線が必要です。ジャンパ線は次に示す市販のジャンパ線でなくても0.6mmφの単芯のリード線から簡単に作ることができます。単芯のリード線からジャンパ線の作り方は後ほど詳しく説明します。
 そのほかに、PCとArduinoUnoを接続するUSBケーブルが必要になります。

image003.jpg

 これらの部品は秋月電子通商、スイッチサイエンスで入手できます。
スイッチサイエンス
 スイッチサイエンスはマイコン・ボード、シールドなどが充実しています。ArduinoUnoのマイコン・ボードに抵抗、LED、ブレッドボード、タクト・スイッチ、ジャンパ線などがセットになった「Arduinoをはじめようキット」があります。入門者にとっては便利なキットです。スイッチサイエンスは通信販売専門の会社で実店舗はありません。
秋月電子通商
 秋月電子通商は、ArduinoUnoのマイコン・ボードのほかに豊富な品ぞろえで必要な部品はほとんどそろいます。通信販売と実店舗両方で入手できます。

<神崎康宏>

(2015/12/18 V1.0)
 

バックグラウンド

ポート;マイコン(マイクロコンピュータ省略形)のI/O端子。IはInput(入力)、OはOutput(出力)。

シールド;電子回路でシールドは、電磁シールドや静電シールドのような、金属で回路を囲うことを指します。Arduinoでは、I/O関係のICを搭載して特定の機能を拡張するボードを指します。

ArduinoUno;Arduinoと呼ばれるマイコン・ボードはたくさんの種類があります。その中で標準と呼べるのがUnoです。

センサ;温度や湿度、気圧、加速度など、自然界のデータを収集しようとするときに使われるデバイスです。出力がアナログのものとディジタルの2種類があります。Arduinoは市販されているセンサの多くをつないで使うことができます。

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連載メニュー はじめてマイコン・ボードArduinoを使ってみる

(1)  マイコン・ボードArduinoの開発は無償ツールで行える

(2) 開発環境のArduinoIDEをインストール その1

(3) 開発環境のArduinoIDEをインストール その2

(4) 開発環境ArduinoIDEをマスタする

(5) 動作確認をするためにLEDの点滅を行う

(6) サンプル・プログラムBlinkの実行準備

(7) スイッチが押されたときにLEDが点灯するプログラムを作る

(8) 入出力命令とif文を使ったプログラム

(9) シリアル・モニタを使うとプログラムの動きがよくわかる