レベル変換 (13) UART その8 Arduino UNOと双方向 ADUM1201CRZ

 ここで利用するアナログ・デバイセズのADUM1201CRZは、2チャネル・アイソレータと呼ばれています。RSコンポーネンツで入手し、DIP化変換基板にはんだ付けしました。一方向の絶縁されたバッファが2組入っています。それぞれの方向は逆です。同じ方向の2組が入っているのがADUM1200です。
 型番の数字の後ろのアルファベットは、スピードなどを表しています。Aは1Mbps、Bは10Mbps、Cは25Mbpsです。ZはRoHS対応で、Wは車載対応(125℃動作)です。Rはパッケージを表しているようですが、現時点のデータシートにはR-8という形状一つしかありません。

ADUM1201CRZのおもな特徴

  • 電源電圧 1側、2側ともに2.7~5.5V
  • 入力レベル Vilは0.3*Vdd、Vihは0.7*Vdd
  • 動作速度 最小25MHz

 信号の入力は5Vトレラントではありません。HIGHは電源電圧までです。
 OPアンプ用の変換ボードは入出力は入り乱れているので、アイソレータとしては絶縁電圧はまったくカタログ通りにはなりません。DC的に分離できていると考えて利用しました。

接続

 Arduino UNOとラズパイ間で送受信を行います。3.3V側の電源を、Arduino UNOの5Vから絶縁型のDC-DCコンバータIK0503SAで作りました。ADUM6211のようにDC-DCコンバータ内蔵のアイソレータを使うとコンパクトに実装できます。Arduino側で3.3Vを作ると、ラズパイへの配線が3本で済みます。

プログラム

 前回の「レベル変換 (12) UART その7 Arduino UNOと双方向 ISO7221BDG4」と同じプログラムで実験しました。
 Analog Discovery2を使って、これらの実験中の波形を示します。画面の上側ブロックがアナログ信号です。オレンジ色がArduino UNOのTxの波形で、青色がラズパイのTxの波形です。
 下側のブロックはI2Cのデータをデコードして表示する画面です。オシロスコープのチャネル1(オレンジ色)にDIO2ピンを、オシロスコープのチャネル2(青色)にDIO1ピンをつないでいます。
 アイソレーションしていますが、波形は、GND共通にして観測しています。

 Arduino UNOのTxはLOWが0V、HIGHが4.8Vです。ラズパイ側のLOWは0.5V、HIGH3.9Vです。問題なく通信できています。

前へ

レベル変換 (12) UART その7 Arduino UNOと双方向 ISO7221BDG4

次へ

Trinket M0 (1) Arduino IDEをインストール