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キットの製作 USBを電源にした可変電源 2/5

2 電源電圧をいつも読めると実験に便利

可変電源なので電圧がいつでも読めると便利

 3.3V専用にするなら、半固定抵抗を回してテスタで測りながらキットの出力を3.3Vに設定すればいいのです。けれど、実験で実際に使うときに可変したいときには、常に電圧が表示できると、実験用には便利です。アナログ・メータ式の電圧計は高価なので、ディジタル表示を検討します。

小型2線式LEDデジタル電圧計(パネルメータ)3桁表示

DC3~20V(オートレンジ)[DE-P9] 通販コード M-09014

 表示色が赤色の3桁の7セグメントLED表示器(7本の線で数字を表す)です。デジタル電圧計本体から電線は2本しか出ていなく、測定端子と電源プラス端子を兼ねたのが1本、もう1本はグラウンドです。緑色や青色のLEDタイプもありますが、利用できる電圧範囲や価格が異なる場合があります。

 写真2に電圧計の外観を示します。

写真2 2線式デジタル電圧計

電源と測定端子が一体になっている。横幅は約32mm、高さは約14mm、厚さは約10mm。測定範囲DC3~20V。

p17.jpg

●小型2線式LEDデジタル電圧計の表示範囲
 使用電圧および測定電圧はDC3~20Vと書かれていますが、実際に測ってみました。

 確認には実験用可変電圧電源を使いました。 室温は25℃です。比較対象のテスタはMASTECH MS8221Cです。

 個体差があるのでしょうが、2.5V以上29.9Vが利用できる範囲でした。電源電圧が仕様外の3V以下、20V以上では表示の数値に誤差が大きいようです。


MASTECH電圧[V] 3.00 3.30 5.00 10.0 12.0 15.0 20.0
3桁LED電圧計[V] 3.03 3.33 5.03 10.0 12.1 15.1 20.1

 次に消費電流を測りました。30mA以下と仕様に書かれているので、いずれも正常値内でした。


電圧[V] 5 10 20 25
電流[mA] 22.5 27.3 26.1 27.0

コラム2  安価な3桁LEDディジタル表示電圧計はいろいろな製品が販売されている

 ebayだと「Digital Voltmeter」、ヤフーオークション(ヤフオク)だと「デジタル電圧計」というキーワードでのオークション・サイトで検索すると、いろいろな種類がみつかります。

  • 表示色 赤色、緑色、青色など
  • 2線式、電源と測定が別個の3線式
  • 電圧範囲は 0~99.9V、5~120V、0~30Vなど様々
  • 価格は200円から300円台(Buy It Now)

 中国などからの出品は送料が無料(Free international shipping)のところもあります。国内で購入するより安価な場合もあります。届かないなどの事故がないわけではありませんし、到着まで10日以上かかることも多いようです。

 
3 回路図を読もう

回路図記号はいろいろ変遷があって
 記号はMIL(みる。Military Standard)とかJIS(ジス。Japanese Industrial Standards。日本工業規格)などの規格に従って書かれますが、この数十年の間に何度も改訂されたので、新旧の記号が入り乱れて回路図が書かれています。最近の日本のJISはヨーロッパの規格を横滑りさせていることが多いのですが、回路図記号があまりにも抽象化されすぎて多くの人に受け入れられていないようです。

 現在は、回路図エディタというCADソフトに登録された記号を使うことが多いようです。回路図エディタの多くはプリント基板を作成するCADソフトウェアに含まれているのを使います。
コンデンサ

 極性のあるアルミ電解コンデンサの記号は2種類あります。

c3.jpg 積層セラミック・コンデンサやフィルム・コンデンサのようにどちらの向きで取り付けてもよいのは1種類です。

c23.jpg抵抗

r3.jpg
 長方形の箱型が最新の記号ですが、ほとんど使われません。
半固定抵抗

vr3.jpg
 3本の端子があります。可動部分に2という数字が書かれていることがあります。1番と3番の両端の抵抗値が、半固定抵抗の値です。
IC
ic3.jpg
 ICやLSIはいろいろあるので、きまった記号はなく四角形が使われ、箱のまわりにピン番号が書かれます。ピン番号は、ICを上から見たときにもともと振られている番号と同じく、左上を1番とし反時計回りに番号を振っている場合と、回路図がシンプルに見えるようにグループにしたり、左側が入力関係、右側が出力関係になるようにピン番号が振られていることがあります。
 回路図の多くは、左から信号が入って右に流れる場合が多いです。なので、たとえば3本だけのICの場合、左が入力端子、真ん中の下がGND(グラウンド)、右が出力という書き方になっていることが多いです。そのため、現物のICを見たとき、その順番になっていないことが多いので、ICの仕様が書かれているデータシートで確認しないといけません。
GND グラウンド gnd3.jpg電源
vcc3.jpgLED
led3.jpg
スイッチ

sw3.jpg

コネクタ

cn3.jpg

フューズ

fuse3.jpg放熱器

 普通は回路図には書かれません。点線の四角形が使われるようです。


プリント基板にシルクで部品の記号が書かれていることが多い
 極性のある部品は、リード線の挿入方向を間違えないように、1番ピンの位置がシルクで印刷(この基板は白色)されている場合があります。回路図の抵抗R1とかコンデンサのC2という番号も書かれている場合が多いです。

p2a.jpg

 電子工作ではとても役立つ情報ですが、大量に作られる家電機器などでもシルクで部品番号などが印刷されています。部品は自動挿入機で挿入するので、なぜ印刷されているのでしょうか。
 一つは、電池やコネクタは自動機ではんだ付けができないの場合は人が挿し込んではんだ付けするために位置を確認するためです。もうひとつは、自動機でチップ部品を指定場所に置きに行ったときにはじいてしまって、部品がはんだ付けされていないときに、後で人が目視して部品を取り付けるためです。
 もちろん、修理するときにも役立ちます。
コンデンサ

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 極性のある電解コンデンサは、+の記号がシルク印刷されています。マイナス側の一部が白く塗りつぶされている場合もよくあります。
抵抗

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 極性がないので不要なように思えますが、たくさんの抵抗が縦横入り組んでいると別々の抵抗の端子を挿しこむような間違いを避けられます。
 抵抗の回路図記号が書かれていたり、ただの直線が引いてあったり、特にルールはないようです。
半固定抵抗

vr12.jpg

 1,2,3の数字が印刷されていることがあります。この基板では、外形の特徴が印刷されています。

発光ダイオード

led5.jpg

 ダイオードは回路図記号がシルクで印刷されていることが多いです。アノードのA(Anode)、カソードのKのどちらかが印刷されていることもあります。カソードはCathodeですが、ドイツ語のKの頭文字が使われます。なぜでしょうね。
IC

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 1番ピンの位置が何らかの印が描かれています。このプリント基板では数字の1が印刷されています。

スイッチ

sw8.jpg


 SW1と印刷されています。トグル・スイッチはレバーを倒したほうのどちらがONになるのかOFFであるかがわからないことが多いのですが、この基板にはONとOFFが印刷されています。ありがたいです。

コネクタ

cn110.jpg

 USBのコネクタのまわりにピン番号が印刷されていますが、差し込む方向は一意なので、この数字はテスタでチェックするときに役立ちます。
フューズ

fuse9.jpg

 F1という文字と、回路図と同じ波線が印刷されています。
放熱器

h13.jpg

 H1という文字と外形が印刷されています。ピンが2本あって、はんだ付けします。

NJM2397schematic2.jpg

図A キットに入っているマニュアルに掲載されている回路図

連載メニュー キットの製作 USBを電源にした可変電源

(1) 電源電圧を変化させられると実験に便利

(2) 回路図を読もう

(3) キットの組み立て

(4) 動作確認

(5) もし実験中にショートしたとき