最新ラズパイ・ゼロと真空管アンプでハイエンド・オーディオを その2 真空管アンプの組み立てを始める

真空管アンプの組み立て

 ザ・キット屋でエレキットのTU-8150を求めました。このキットは、6AQ5という真空管が電力増幅回路に使われています。MT管と呼ばれるスリムで小型の形状をしています。実は、この前の世代が6V6というGT管でした。電気的スペックは同じなので、差し替えられます。ただ、ソケットが異なるので面倒ですが、このキットは最初から2種類のソケットが用意されています。

 この販売店は、6V6が最初から同梱されています。太い真空管が格好良いと思われた方は6V6を購入してください。アマゾンでも購入できます。

 このキットには、「組立説明書」と「真空管アンプ 虎の巻」が入っています。組み立て説明書は、はんだ付けの初歩的な話は掲載されていません。2ページと3ページには、部品のチェック・リストがあるので、確認します。部品を袋から出すとバラバラになるので、お菓子の空き箱や百円ショップの整理用トレイを利用します。

 最初に、基板をばらばらにします。

 切り離したところは、ヤスリもしくは紙やすりで平らにします。

 6AQ5と6V6を差し替えられるように、サブ基板が用意されています。メイン・ボードと接続はピンヘッダを使うので、長いのを切り分けます。治具(UNIT-4)が用意されています。ニッパで切り分けるときれいに割れませんが、この治具は優れものです。

 3ページが終了しました。

はんだ付けを始める前に

 4ページの「1」は、一番数量の多い抵抗です。抵抗(取り付け方向なし)と書かれていますが、これは間違いです(後述)。

 抵抗にはそれぞれがあって、適当にはんだ付けしてはなりません。は色で判断しますが、読めます? 読めないですね。テスタを取り出しましょう。

アナログ・テスタの場合

 赤と黒のリード線をテスタ本体に差し込みます。抵抗レンジを選びます。抵抗の値の範囲に合わせて何点か選べます。これは、低い値と、高い値で適正なのを選ばないとうまく読み取れないからです。

 最初に、ゼロ点調整が必要です。レンジを変えたときにもゼロ点調整をします。

DMMの場合

 DMMはディジタル・テスタです。安いのは千円しません。500円で購入したDMMは、抵抗の中にもいくつかレンジがあります。5千円のDMMはオートレンジです。便利ですね。

 A4のコピー用紙に、

R107 47Ω
R207 47Ω

と書きます。テスタで測ったら、そこへメンディング・テープで貼り付けます。セロハン・テープだとノリが残ったりするので、はがしやすいメンディング・テープを使います。

 実際にはんだ付けをするときは、文字が正しく読める向きで、必ず金色を右にします。そのほうがきれいでしょう。金色というのは、抵抗の誤差が±5%ですよと告げています。金色を使うぐらいだから、5%というのは精度がよい、と、昔は思っていたんですが、ちなみに±10%は銀色です。この10年、銀色は見かけません。アマゾンで購入できる中国製の抵抗のほとんどは±1%です。世界の標準です。

 取扱説明書4ページの「1」の項目右に取り付け方の絵があります。取り付け方向なしと書かれているので、金色が右にあろうが左にあろうが、かまわないとキット・メーカは言っているんですね。

 でも、最終確認時、そろっていると効率がよいと思いませんか。思わない方は、どちらの向きで取り付けてかまいません

 人は必ずミスをします。ミスした時間をリカバリする工夫はしておきます。

 2Wの抵抗は、発熱が大きいのでプリント基板の面から3~4mm隙間を開けて取り付けるように書かれています。これを専門用語で浮かせる、といいます。では、ほかの抵抗は「なんワット」でしょうか。1/2W(にぶんのいち)です。習慣で0.5Wとは書きません。電子工作ではこれより一回り小さい1/4Wがメインです。さらに小さな1/6Wも時々使われます。

 ところでプリント基板は青色していますね。これはレジスト膜というはんだが流れないようにする印刷面です。256色から選べるようです。緑が一般的です。はんだ付けするところが金色ですね。です。アルミをシュウ酸で金色にしたのではありません。金メッキではなく、業界用語で金フラッシュ仕上げと呼びます。ものすごく薄い金メッキです。銅色したはんだ部分は「フラックス仕上げ」、白銀っぽいのは「はんだレベラー仕上げ」と、いくつか金属面の処理方法があります。

 不要になった電子機器を集めて王水で溶かせば、金が取れます。現代の日本では、年間使用する金を再生した金でまかなっているようです。

部品を確認できたのではんだ付けを始める

 なぜ、抵抗が1番目なのでしょうか。キットの組み立てでは大原則があります。背の低い部品から先にはんだ付けする。なので、抵抗でなくてもよいのですが。

 もひとつ。熱に弱いパーツは最後に。昔はゲルマニウム・ダイオードなどがはんだの熱が何度もかかると劣化したりするので、ほかの部品のはんだ付けが終わった後に取り付けました。今は、溶けたはんだのプールの上をプリント基板が通ってはんだ付けするので、熱には大丈夫な部品がほとんどです。

<1>抵抗を挿し込む

<2>裏側

<3>足(リード線)を広げる

<4>プリント基板の金色の部分であるランドと、抵抗のリード線の両方を約2秒温め、はんだの先端を境界に挿し込み(1秒)、はんだが流れるのを確認してはんだを離し、コテ先を離す(約2秒)。

<5>ニッパで、はんだの切れ目でカットする。

<6>カットしたリード線は将来再利用するので、まとめておく。

<7>最初のR107、R207のはんだ付けが終わりました。

<8>取り扱い説明書にチェックします。2017年3月現在、R207は回路図では誤植でR208となっています。

<9>全部、いや1本を残して抵抗のはんだ付けが終わりました。