最新ラズパイ・ゼロと真空管アンプでハイエンド・オーディオを その6 測定2

自動計測だと問題点を素早く見つけられる

 Analog Discovery で計測を続けます。今度は、FRAplusという専用のソフトウェアを使います。Analog Discoveryはハードを活用したオリジナルのプログラムを作れるAPIが公開されています。USBオシロスコープのPicoScopeもAPIが公開されていて、FRAを作った方もおられます。

 オーディオ測定に特化したこのFRAplusを使うと、次の項目が自動計測できます。

  • 周波数、位相
  • インピーダンス
  • ひずみ率
  • 入出力特性
  • クロストーク

 通常のアンプはRCA入力の不平衡ですが、バランス入力も効率良く測定できるハードの支援もあります。

6V6 3結時

 前回の測定で、いちばん特性がよいと思われる3結で測定しました。入出力特性です。RCAから信号を入れています。



 ひずみ率特性です。

 周波数特性です。

 クロストークです。右のチャネルの信号が左にどのくらい漏れていくかを調べています。低域が悪くなるのは、電源のグラウンドが左右チャネルで共通だからです。

 高域の値が悪くなっているのは、ドライブ段が左右同じ真空管を使っているのが大きな理由と思われます。特に、ドライブ段が1段なのでゲインを稼ぐために12AX7A(ECC83)を使っています。左右の信号の配線の引き回しによっても劣化します。

 ゲインが下がるのですが、がっちりした構造の12AU7A(ECC82)に変更します。高域のクロストークが大きく改善されました。なぜか低域のクロストークも下がりました。

 この時の入出力特性です。効率の良いスピーカを使う分には、問題ない出力です。

 ひずみ率です。