最新ラズパイ・ゼロと真空管アンプでハイエンド・オーディオを その4 組み立て完了

完成まで間近

 真空管アンプ・キットのTU-8150は6AQ5(6V6)のシングル構成です。シングルに対する言葉はプッシュ・プルです。電力増幅回路に真空管を2個使います。この回路のメリットはたくさんありますが、部品点数が増え価格が上昇します。

  • ハムが少ない
  • パワーが大きくできる
  • 出力トランスが小さめにできる

 前回までに、はんだ付けが終わりました。1日置いて、回路図と見比べて最後のチェックをします。急いで夜中にチェックすると、絶対自分のはんだ付けは正しいと思い込み、ミスを見つけられません。

組み立て開始

 7ページの「30」からスタートします。この項目に、チェック・ボックスがないので、組み立てが終わったら、自分で箱を書いてチェックしておきます。

「31」ジャンパ・プラグ



 6AQ5は5極管(ビーム管)です。スクリーン・グリッドの接続方法で3種類が切り替えられるようになっています。

  • 5極管ではプレートより少し低めの電圧をかける;出力2.9W
  • UL接続ではトランスに専用のタップを出して接続する;出力2.9W
  • 3極管結合ではプレートに直結する;出力1.6W

 5極管接続時には、スクリーング・リッドは電圧が動かないようにするために電解コンデンサを入れますが、入っていません。UL接続のとき、不要だと思われる1.5kΩの抵抗が入ったまま。3極管結合のときにも不要だと思われる1.5kΩが入ったままになっていると、多くの既存回路とは異なった接続になっています。

 3種類用意されているというのは、出てくる音が異なるからです。出力パワーも異なります。出力インピーダンスも異なります。したがって、同じスピーカをつなぐと、音の違いを感じられるかもしれません。

 負帰還(NF)回路の定数は一定ですから、ここでも音が変わるかもしれません。

8,9ページで最終チェック

 抵抗、コンデンサ、大きな部品を含めて、確認が終わったら、マーカ・ペンでチェックします。プリント基板の上面は実線で、裏側は破線で描いています。

10,11ページで組み立てを完了

 タッピングねじは、間違えて抜くことを2回程度は繰り返せますが、3度目は緩くなってしまうので、図をじっくり見ながら、留めていきます。

 リア・パネル側です。

 下シャーシを取り付けて、いったん終了にします。ACスイッチ付近は100Vがむき出しなので、間違って触ると感電します。真空管の差し替えや動作モードを変更しない場合は、そのまま上シャーシを取り付けます。

 「11」に従って、真空管を取り付けます。ここでは6V6に差し替えました。

  机の上をかたずけ、16ページを参考に、テスト用の小さなスピーカをつなぎ、RCA入力に何かの音源をつなぎます。

 ACケーブルを接続します。ボリュームを左に回しきります。音量が最小になります。音源をスタートします。ボリュームをゆっくり右に回します。正常に音が出たら、いったん電源を切って、スピーカを普通のものに変更します。

 次回、特性を測ります。