最新ラズパイ・ゼロと真空管アンプでハイエンド・オーディオを その7 音出し

主観でしか伝えられないが

 音源はMacBook Pro (Retina,13-inch,late 2013)、macOS Sierra バージョン10.12.3、Audirvana Plus Version 2.6.6をバッテリ駆動で使っています。USB-DACはCHORD Mojoです。

 TU-8150は3結、ドライバは12AU7A、出力は6V6を使っています。ここまで、のべ1週間ほど1日数時間ずつ音楽を聴いています。

小型ELAC BS203

 最初は、小型スピーカも作っているドイツのメーカのELAC BS203 Anniversarry Editionです。効率は86dBと低いです。

 1Wぐらいでは大きな音量にはできません。

 JAZZの定番では、音がスピーカの周りに広がります。

 クラシックのバイオリンの高域はきつめです

少し大きめ12インチTANNOY Edinburgh

 同軸型フルレンジです。効率は92dBです。

 総じて、きれいに奏でます。

15インチRCA 515S2+4560

 フルレンジですが、高域ユニットがあります。効率は不明ですが、業務用のモデルLC1は94.5dBです。当時の測定方法は現在の1m離れたところとは異なるといわれていますが、それほど違いはないと思われます。スピーカの箱はJBLの4560相当品です。

 大き目なスピーカなので低音はよく出るスピーカです。この真空管アンプでは、低音感は出ますが、ゴリゴリとした低音は出ません。人の感じる低音は70Hz付近から120Hz付近の音です。

 スピーカは物理的に振動板がフレームなどにつながっているので、機械的共振点があり、その付近はインピーダンスがほかの部分より10倍以上高くなります。そのため、相当のエネルギーを投入しないと音圧が得られません。

 スピーカで低音を出すためには、面積を大きくするか、ボイス・コイルのストロークを増やす2通りがあります。現代では、ストロークを増やしますが、大きな電力が必要になりました。

 したがって、小電力のアンプでは、低音は出にくいといえます。

 このアンプは、低音感はバランスよく出ていると感じられました。

アンプを改造するには

 低音をもっとほしいと思う場合は、大きなコアをもつ出力トランスに変更します。

 高域のバイオリンの音がきついと感じるなら、トランスを音質の気に入ったものに変更する方法がありますが、これは、つないでみないとわかりません。

 低音のクロストークは電源を左右に分離し、低減する方法があります。

 高音のクロストークは、配線を見直すか、真空管の内部がよく分離されているモデルに変更すると低減できるかもしれません。

音源をよくすれば得られること

 真空管アンプの改造は大変です。高圧回路を直接変更するので、慎重に作業しても感電したり、部品を破壊する恐れがあります。したがって、慣れるまで作業は置いておきます。

 次回から、ラズパイのVolumioをインストールします。音源の送り出しの品位が上がると、断然違った音楽がスピーカから流れ出します。

 コンピュータはノイズの規制をクリアするために、クロックを微妙に常に変動させます。ラズパイも2種類の周波数に一定の確率で変動させます。測定技術が高くないので、はっきりと周波数はわかりませんが、変動していることは観測できます。

 敏感な人は、その揺れがわかるようです。筆者はわかりません。

 次回から作るラズパイのシステムでは、リクロッカKALIボードを使います。変動する基準となるクロックをピシッとさせるボードです。

 KALIでは 44/48MHzのクロック・モジュールを基準として、I2SのMCLK、BCK、LRCK、Dataをそろえ直して出力します。ラズパイからはMCLKは出ていないので、MCLKが必要なD-Aコンバータも利用できます。

  •  ESS社のES9023、ES9018MK2、ES9038proなどはMCLKは不要。MCLKを接続もできる
  •  旭化成エレクトロニクスのAK4452、AK4497EQなどはMCLKが必要
  •  テキサス・インスツルメンツ(バーブラウン)のPCM5102/5122ではMCLKは不要

 ラズパイはLinuxのALSAドライバで動くので、最大の再生レートはPCM192kHz/24(32)ビットです。