ラズパイ4用アナログ電源の製作②回路を組む

 入力側の8Vは、実験用電源を利用します。8Vにしたのは、この回路では、入力と出力電圧差が2.xV必要とされているからで、5+3=8Vとしました。これ以上の電圧の9Vや12Vを使うと、トランジスタTr1で熱に変換され、8Vのときより高温になります。アナログ電源=リニア・レギュレータの最大の欠点です。

使用するパーツ

大電力NPNトランジスタ 2SC5198
 コレクタ-ベース間電圧:140V
 コレクタ電流:10A
 直流電流増幅率:80~160
 コレクタ損失:100W

 放熱器(54×50×15mm)に取り付けます。すぐ横に温度計のセンサ(サーミスタ)を接着しました。

小信号用NPNトランジスタ 2SC1815GR
 コレクタ-ベース間電圧:50V
 コレクタ電流:150mA
 直流電流増幅率:200~400
 コレクタ損失:400mW

 回路は、TL431のデータシートの応用です。

基準電圧IC TL431
 基準電圧:約2.5V、可変時~36V
 シンク電流:1~100mA
 出力インピーダンス:0.2Ω(標準値)
 動作温度範囲:C 0~70℃
 動作温度範囲でのドリフト:6mV

 回路図 R1=330Ω時、TL431の実測電流は約5mAです。

逆電圧保護用、汎用整流ダイオード 1N4001
 耐圧:50V
 電流:1A

 入力の電解コンデンサは、4700から8000uFくらい、耐圧は入力12Vまで上げることを考えて16V以上を選びます。出力の電解コンデンサは、100uF前後で、耐圧は6V以上を選びます。入力側の電解コンデンサの容量が大きいのは、実際の回路では、AC100Vをトランスで降圧して、整流しているので、リプルが多いためです。実験だけなら、470uFもあればよいと考えます。

 データシートにも書かれていますが、TL431の出力に0.1uF前後(0.01~数uF)の積層セラミック・コンデンサをつなぐと発振するので、入れません。

 R3とR4は、TL431の基準電圧(2.5V)を基準に、カソードの電圧を、

  出力+(Tr1とTr2のベース-エミッタ電圧分)
  5V +(0.6 + 0.6V) = 約6V

になるように値を決めます。データシートには、R3=R4になっているので4.7kΩにしました。実際の回路でデータを測定して確認します。

実験器具

実験用電源;HP 6632A 20V/5A

2SC1815ベースの電流;MASTEC MS8221Cなどのテスタ

電子負荷;150W容量テストモジュール200V 20A USB調整可能な定電流電子負荷バッテリ容量テスターモジュール(アマゾンで入手)