IoTで使うPython入門 Step5-Python3 VISA①DMM Keithley 2000 準備

 2020年4月でPython2.7の新規リリースが終了しました。ここでは、Python3.8を利用します。プラットホームはWindows10です。

 KeysightのIOライブラリ・スイート(Keysight Connection Expert 2020)をダウンロードし、インストールします。VISAを利用するときに役立つツール類がインストールされます。

Keithley 2000の接続

 GPIB-USB変換ケーブルを1台のKeithley 2000につなぎ、GPIBケーブルでもう1台のKeithley 2000につなぎます。PCとはGPIB-USB変換ケーブル(Agilentの82357B)でUSB2.0 のコネクタにつなぎます。

GPIBの機能を有効にする

 Keithley 2000のパネルの操作で、GPIB機能をONにします。
 Shiftキーを押し、次にGPIBボタンを押すと、画面にGPIB OFF が表示されます。GPIBがブリンクしているので、右矢印キーを押すとOFFがブリンクします。上もしくは下矢印キーでONとOFFがトグルに切り替わります。ONの表示が出ている状態で、Enterキーを押します。
 ADDR:06のアドレス設定表示になるので、Enterキーを押すと次はLANG SCPIの表示が出ます。Enterキーを押すと設定画面を抜けます。次に電源を入れても、この設定は維持されています。

 もう1台はADDR:18でした。
 通信を行うと、Keithley 2000のパネルにTALKの表示が出ます。

Keysight Connection Expert 2020

 Keysight Connection Expert 2020を起動します。なぜかたくさん見つけてきます。

 VISAのアドレスが、GPIB0::6::INSTR と GPIB0::18::INSTRが該当しています。

VISAライブラリ

 PCのコマンドプロンプトで実行します。

  pip3 install pyvisa

でVISAのライブラリをインストールします。過去何回かpyvisaを利用したときは、ほかにライブラリを必要としましたが、現時点では、このpyVISAだけで動作するようです。VISAの規約に対応している測定機器はたくさんあります。また、VISAが動作するインターフェースは、非同期シリアル、USB、GPIB、LAN(TCP/IP)などがあります。

  IoTで使うPython入門 Step4-Python3ソケット①DMM 34461A測定器のIDを取得

で紹介したSCPIコマンドのなかで、どこでも実装している*IDN?を使います。

 ライブラリをインポートします。

import visa

 測定器には固有のアドレスがあり、次のように記述します。

Keithley2000_1_Addr = "GPIB0::6"
Keithley2000_2_Addr = "GPIB0::18"

 そしてインスタンスを得ます。

r = visa.ResourceManager()
keithley2000_1 = r.open_resource(Keithley2000_1_Addr)
keithley2000_2 = r.open_resource(Keithley2000_2_Addr)

 測定器のIDを取得します。

keithley2000_1.write('*IDN?')
keithley2000_2.write('*IDN?')

 読み出します。

print(keithley2000_1.read())
print(keithley2000_2.read())

 プログラムです。テキスト・エディタで編集し、Keithley0.pyのファイル名で保存しました。

import visa

Keithley2000_1_Addr = "GPIB0::6"
Keithley2000_2_Addr = "GPIB0::18"

r = visa.ResourceManager()
keithley2000_1 = r.open_resource(Keithley2000_1_Addr)
keithley2000_2 = r.open_resource(Keithley2000_2_Addr)

keithley2000_1.write('*IDN?')
keithley2000_2.write('*IDN?')

print(keithley2000_1.read())
print(keithley2000_2.read())

 Keithley0.pyが保存されているディレクトリに移動し、Python3の別名pyで実行します。

C:\Users\ユーザ名\Desktop\works>py Keithley0.py
KEITHLEY INSTRUMENTS INC.,MODEL 2000,0801917,A13 /A02

KEITHLEY INSTRUMENTS INC.,MODEL 2000,0638990,A06 /A02