最新ラズパイ・ゼロと真空管アンプでハイエンド・オーディオを 第2部 その12 完成形2 ES9038PROのセットアップ

SN比の向上は柔らかい音につながる

 準備は整いました。電源の数が多いので、配線しては電圧出力を確認します。

レイアウトを確認

 A3用紙の大きさに収めるようにレイアウトを確認しました。出力はバランスです。プリント基板の上にはバランス-アンバランス回路とOPアンプも付属していますが使いませんでした。

 電源は、銅板で電磁シールドができるように箱を組み立てました。電源部分の仮配線をしました。

 D-Aコンバータと電源を仮配置します。スイッチング電源の12V用の2台はトリマを回して12.9Vに調整しました。LT3042は入出力の電圧差は350mV以上必要です。12.9Vはそれぞれのコモンモード・フィルタを通してLT3042 12V 200mAのレギュレータ基板につながります。一つの出力は、プラスを+12Vへマイナスをグラウンドへ、もう一つの出力は、プラスをグラウンドへマイナスを-12Vへ接続します。

 5V出力のスイッチング電源はトリマを回して5.89Vに上げました。5Vと3.3Vのそれぞれの電源基板へ、独立したコモン・モード・フィルタを通して接続しました。

 すべての電源の確認と配線が終わりました。

音出し

 すべての電源は正常な電圧が出ていましたが、電源を入れると、ラズパイ・ゼロのLEDが2回点滅と消灯を繰り返してます。ラズパイへの電源電圧を測ると、上がったり下がったりしています。USBから5V 1Aを供給すると立ち上がりました。同じLT3042の3.3V 1A電源を確認すると、2.79Vしか出ていません。トランジスタによって電流を増やしたLT3042のモデルが正常に動作していないようです。

 5V 1A用はNJM7805を、3.3V 500mA用はNJM2391DL1-33を使って電源を作りました。NJM7805は12Vの電源から、3.3Vは5Vの電源からつなぎました。

 リクロッカKALIからは、MCLK、LRCK、BCK、Dataのすべての信号を配線します。ES9038PROの中央部分には80MHzの水晶発振モジュール、/ENと書かれたジャンパピンと3.3V用電源端子があります。/ENジャンパピンはショートしてLowレベルになると、水晶発振モジュールは出力を出しません。

 ショートしたときと、ショートしないときの両方とも音は出ました。音の違いは判りませんでした。

 VolumioのI2S-DACは、第9回目の設定の説明で、ES9023と同じくOutput ModelとOutput DeviceにはGeneric I2S DACを選びます。

完成形2の完了

 完成形1に比べて、音の角が取れたような印象の音になりました。聞きやすいです。

 出力に使われているのはOPA1688です。通常のOPアンプより出力電流は多く取り出せますが、ケーブルやトランスを駆動するのには電力が必要です。市販のディスクリートOPアンプなどを利用すると手軽に電流を増やせます。