今から始める電子工作 Step2 ② I/Oポートからリレーを駆動 その1
Arduino UNO R4 WiFi は、I/Oポートの扱える電流は8mAが最大でした。UNO3は20mA扱えるのに比べ、大変小さい値です。実験で使うLEDは、数mAでも明るく光りますが、1Wや3Wの高輝度LEDは直接駆動ができません。
その場合、
- 駆動用トランジスタを1段加えて大きな電流に対応する
- リレーを駆動して大きな電流に対応する
の2通りが考えられます。リレーを利用すると、負荷は直流でも交流でもOKですし、AC100VもON/OFFできます。欠点は、トランジスタによる駆動に比べて動作に時間がかかることです。
●リレーの外観
最近は見なくなりましたが、端子をはんだ付けするものやソケットに差し込む大型のリレーです。
最近は、プリント基板に実装するタイプが主流です。
●リレーの構造
ここでは、5Vで駆動できるリレーを用意しました。
- 駆動電圧 5V
- 電流 30mA
- 動作時間 5ms以下
- 最大負荷 125VAC、60VDC
ソレノイドを駆動する電圧は5Vですが、30mA流さないといけません。これは、マイコン・ボードの出力電流をはるかに超えています。
30mAを流すためには、
- 小信号用トランジスタで駆動する
- フォトカプラを利用する
が考えられます。
小信号用トランジスタを使った駆動回路です。リレーのソレノイド(コイル)にはダイオード(IN4148;100V,200mA)を並列につなげ、ON/OFF時に発生する高めな電圧を抑制します。
●ベーシックな実験から
実験用電源を用いて電圧を変化させて、リレーをON/OFFさせます。下の図は、G5V-1 DC5Vのピン配置図です。コイルの両端2と9に電圧を加えます。極性はありません。
このリレーをブレッドボードにさすと、1-10、2-9がショート状態になるので、2と9にはスズ・メッキ線をはんだづけして、幅を広げました。
秋月電子通商で販売している
は、ブレッドボードにそのままささり、駆動用のトランジスタも実装されています。
ソレノイドに印加する電圧を変化させ、駆動電流を測りました。
電圧[V] | 電流[mA] | ON/OFF |
---|---|---|
0.5 | 3.1 | ON |
1.0 | 6 | ON |
1.5 | 9.1 | ON |
2.0 | 12.1 | ON |
3.0 | 18.6 | ON |
4.0 | 24.6 | ON |
5.0 | 30.5 | ON |
6.0 | 26.6 | ON |
低い電圧から駆動できたので、電圧はシビアではないようです。マイコン・ボードのHighが3.3~5.0Vであれば、問題なく駆動できるようです。