Raspberry Piでコマンドをゆっくりマスタしよう (1) pwd
■PWD いま、私はどこにいるの?
●シェルはコンピュータと対話する一つの方法
2016年1月現在のOSはRASPBIAN JESSIEです。このバージョンから、OSが立ち上がると、もろもろの設定が終わった最後で、シェルからstartxというXwindowが実行されます。したがって、それ以後、各種初期設定をGUIで行います。
RASPBIANは、Raspberry PiでうごくLinuxのひとつです。特にDebianというディストリビューションをベースとして開発されています。
Linuxはベル研究所のUNIXをみてに開発されました。UNIXが作られていた当時、液晶ディスプレイやCRTというものは存在しませんでした。テレタイプ装置があって、20mAカレントループ・インターフェースで外部とのやり取りをし、約50ボーという速度で送受信するキーボードと印刷機が合体した入出力機を使っていました。20mAカレントループ・インターフェースは今でも計測分野で使われている方式ですが、次第にRS-232のシリアル通信方式が採用されるようになりました。
50ボーという速度は1秒間に約6文字のアルファベットを送れます。PCのUSB2.0は480Mbpsです。とても遅かったのですね。UNIXでコンピュータと対話するためにshというシェルが用意されていました。そのコマンドは2文字ぐらいからと、少ないです。
UNIX自体、テープで受け渡しをされていましたが、早晩CDに代わりました。
●シェルは、ターミナルLXTerminalを立ち上げて使う
いくつでも起動できますし、画面の大きさも自由に変えられます。
まず、
pwd |
を実行しましょう。piというユーザでログインしたので、ホーム・ディレクトリを教えてくれます。ディレクトリを移動したときは、今いる場所であるカレント・ディレクトリを教えてくれます。
複数のターミナルを開いているとき、自分がどこにいるかわからなくなったときに、pwdとたたいてください。たたくというのは、キーボードを打つという言葉と同義です。
●ホーム・ディレクトリはログインした場所
ホーム・ディレクトリは、システム全体のどこにあるのでしょうか。一番上位が / のルートです。その下にhomeというユーザのホーム・ディレクトリが収納される場所があります。いまはpiというユーザしかいないので、piだけがあります。LinuxはマルチユーザのOSですから、ほかのユーザを作れば、そのホーム・ディレクトリがhomeの下に作られます。
バックグラウンド
ボー(boud)とbps;一つの変調に一つのデータが対応したとき両方の単位では同じ数値になります。一つの変調に複数ビットを割り当てられるQPSKなどでは、bpsとbaudの数値は一致しません。
ほとんどのマイコンが搭載しているシリアル通信の中で、調歩同期式通信を行うUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)は、データシート内でboudとbpsの表記が混在していることがありますが、変調がかかっていないのでboud=bpsです。プロンプト;実は、カレント・ディレクトリはプロンプトに表示されるので、pwdを打つチャンスはありません。シェルの環境変数でカレント・ディレクトリを表示するように設定されているからです。
シェル;シェルにもsh、cshやtcshといろいろあります。いちばんメジャーなのがbashで、RASPBIANにも入っています。RASPBIANはDebian系なので、shは/binディレクトリ内でdashにシンボリック・リンクが張られていて、シェルというとdashが使われます。しかし、ユーザ情報が保存されている/etc/passwd内のrootやpiユーザはbashを使うように設定されているので、bashが標準シェルです。