Arduino UNO R4 Minimaでセンサ・インターフェーシング ① センサはStemma QT/Qwiicボードで手軽に接続

 ルネサスのマイコンRenesas RA4M1 (Arm Cortex-M4)を搭載したマイコン・ボードが2023年6月ごろに発売されました。

  • Arduino UNO R4 Minima
  • Arduino UNO R4 WiFi

 この連載では、Arduino UNO R3の後継と思われるモデルArduino UNO R4 Minimaを利用し、

  • センサ類を接続
  • Stemma QT/Qwiicボードを利用

の2点をメインに掲載します。

Arduino UNO R4 Minima

 マイコン・ボードArduino UNO R4 Minima自体は、別途記事を掲載する予定です。

 Arduino UNO R3(下の左)のマイコン・ボードを並べた写真を見ても、ほぼ同じのI/Oピンであることが確認できます。

 Arduino UNO R3のI2Cインターフェースは、最初、A4、A5ピンを利用していましたが、その後、SCL、SDAピンが独立して用意されました。内部ではつながっています。

 Arduino UNO R4 Minimaの回路図(https://docs.arduino.cc/resources/schematics/ABX00080-schematics.pdf)をみると、

  Arduino UNO R3 Arduino UNO R4 Minima
SCL A5 プルアップ抵抗なし A5 (AN21) プルアップ抵抗5.1k
SDA A4 プルアップ抵抗なし A4 (AN22) プルアップ抵抗5.1k

 Stemma QT/QwiicボードのSDA/SCL信号には10kΩのプルアップ抵抗が入っているので、Arduino UNO R4 Minimaでは、並列に10kと5.1kがつながります。合成抵抗値は3.38kΩです。

Stemma QT/Qwiicボード

 この連載では、センサ類を搭載していることの多いStemma QT/Qwiicボードを利用します。4ピンのコネクタをつなぐだけで利用できるので、手軽です。

 Stemma QTはAdafruit社、QwiicはSparkFun社の呼び名です。製品は2018年ごろに出始め、1mmピッチ、4ピンのJSTコネクタを使っています。
 2023年7月現在(2022年の年末ごろから)、同社のコネクタのケーブルの色が統一されました。Adafruitは、二度変更をしました。したがって、初期のころから当Webでは記事を公開しているので、古いケーブルの色の写真や説明が存在します。

  Stemma QTのケーブル色 Qwiicケーブル色
電源のGND
電源の3.3/5V
SDA 白(*)--->青色 濃い青色
SCL 緑--->黄色 黄色

 (これまでの記事の多くでは白色ではなく黄色のケーブルを利用していた)

 代表的なStemma QT/Qwiicボードです。センサの電源が3.3V以下のとき, 5-3.3V電源電圧の変換回路とSCL/SDAの信号レベル変換回路が付加されます。

 Adafruit社のJST製コネクタを使ったStemmaと呼ばれる製品群には、3ピンと4ピンがあります。I2C用は4ピンで、「Stemma QT」と呼ばれます。同時期に、SparkFun社が作った規格がQwiicです。2022年ごろまでは、独立して製品が呼ばれていましたが、2023年ごろからは、2社間で何らかの合意があったのか、Stemma QT/Qwiicという名称がよく使われるようになりました。

Stemma QT/QwiicボードをArduino UNO R4 Minimaにつなぐ

 

 Arduino UNO R4 WiFiには、Stemma QT/Qwiic専用のコネクタが用意されていますが、Arduino UNO R4 Minimaにはありません。JSTの4ピン・コネクタの他方に、ピンヘッダを取り付けました。2022年暮れあたりから、Adafruitでも、市販されるようになっているので、スイッチサイエンスなどで入手できます。

<Arduino UNO R3の販売>

 Arduino UNO R4の発表時に、Arduino UNO R3は販売を継続するというアナウンスがありました。しかし、マイコンATMega328Pは、製造会社Microchip Technologyから、モデル廃止予定のため、製造中止するというアナウンスがありました。半導体は、市場に流通在庫が数多くあるので、数年ではなくならないと思いますが、いずれ、世代交代すると思われます。

<Arduino UNO R4 WiFiのStemma QT/Qwiicコネクタの位置>

  https://docs.arduino.cc/hardware/uno-r4-wifi?queryID=ad961329b538b0f537cd3a00f28c74c0に掲載されているピン配置の図です。

  アナログ出力ピンの近くに白いコネクタがあります。これが、Stemma QT/Qwiicコネクタです。電源は3.3Vです。

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