今から始める電子工作 Step2 ⑦ I/Oポートから3WのLEDをMOSFETで駆動
リレーは、AC/DCの負荷のどちらでもON/OFFできる特徴があります。負荷がDCであれば、リレーを使わなくても駆動できます。リレーを駆動するために、下記の記事ではMOSFETを利用しました。
今から始める電子工作 Step2 ④ I/Oポートからリレーを駆動 その3 MOSFET
利用した2N7000は小信号用で、最大ドレイン電流は200mAです。1~3Wの白色LEDは300~400mAを流すので、足りません。そこで、ここでは中電力用MOSFETを利用します。
●環境
- Arduino IDE;2.3.4
- Windows11;24H2
- Arduino UNO R4 WiFi
●D11のPWM出力をつなぐ
下記のドライブ回路をArduino UNO R4 WiFi のD11につなぎました。
MOSFETは手持ちのFQPF5N60Cを使いました。調べると、どうも生産中止品になっているようです。最大で600V、4.5Aが扱え、ONするためのゲート電圧Vgsは最小2V、最大で4Vです。中電力が扱え、TO-220パッケージに入っています。
●スケッチ
D11のPWMの出力を3種類変更しながら点灯します。
void setup() { } void loop() { analogWrite(D11, 16); delay(1000); analogWrite(D11, 128); delay(1000); analogWrite(D11, 250); delay(1000); }
それぞれの波形です。青色はD11端子、赤色はMOSFETのゲートの波形です。
<16>
<129>
<250> 明るく光ります。
●スケッチのスタート時
前回のように初期設定?が長く続くようなことはないようです。たまに、下記のような波形が生じることがあります。
●ディジタル出力の場合
void setup() { pinMode(D11, OUTPUT); } void loop() { digitalWrite(D11,HIGH); delay(10); digitalWrite(D11,LOW); delay(10); }
動作時の波形です。
起動時の波形です。
何度か電源を入れなおしましたが、時々前回のような波形が観測されました。まったくこのような波形は出なく、正しい方形波になることのほうが多かったです。
10回、数秒のインターバル後、繰り返して電源を入れなおしました。電源が入ったのち、LEDの異常な発光は観測されませんでした。
D11の出力にノイズのような電圧が出ても、MOSFETの大きめの入力容量によりゲート電圧を十分にONできる電圧まで達していないと想定できますが、間違っているのかもしれません。
●ゲートしきい値電圧が低いMOSFETを使う
ここまで利用していたMOSFETはFQPF5N60Cで、ONするためのゲート電圧Vgsは最小2V、最大で4Vです。ここからは、ゲート電圧が低めの2SK2232を使います。Vgsではなくゲートしきい値電圧 Vthという項目になっていますが、同じ意味で、最小0.8 、最大2.0Vです。
外観はFQPF5N60Cと同じくTO220のモールドです。リードの並びも同じなので、差し替えて使えます。
ディジタル出力のスケッチのままで、電源を入れた直後の波形です。
その後の波形です。
最初のノイズっぽいのは2Vを超えているのですが、電源が入ったのちLEDは異常な発光は観測されませんでした。20usぐらいのパルスなので、見えなかったのかもしれません。もしくは、MOSFETの大きめの入力容量のために、ゲート電圧を十分にONできる電圧まで達していないと想定できますが、間違っているのかもしれません。
MOSFETの入力容量;
- 2N7000 20pF(typ)
- FQPF5N60C 515pF (typ)
- 2SK2232 1000pF (typ)