M5Stackで始めるセンサ・インターフェーシング (4) 赤外線温度センサMLX90640

  例えば、溶鉱炉から出てくる銑鉄の温度を測るとか、近寄れない場所の温度を測るときに赤外線放射温度計を使います。伝染病が広がるのを未然に防ぐため、空港で人の頭部の温度を測るのにも使われたぐらい、分解能が高い製品もあります。
 センサ部分をライン、もしくはマトリクスで構成すれば、人がどの方向から入ってきたかなどの検知に使えます。

 本Webでは次のデバイスを使ってきました。

型番 構成 確度[℃] 分解能[℃] 測定範囲[℃] 記事
MLX90614ESF-BAA 1 ±0.5 0.02 -40~85 ラズパイ
D6T-44L-06 4×4 ±1.5 - 5~50 ラズパイ
AMG8833 8×8 ±2.5 0.25 0~80 ラズパイ Spresense UNO

 ここでは、32×24マトリクスをもつMLX90640を利用します。

MLX90640のおもなスペック

  • 構成 32×24配列
  • 測定範囲 -40〜300℃
  • 分解能 ±1.5℃
  • 動作電圧 3〜3.6V
  • I2Cスレーブ・アドレス 0x33

接続

 Sparkfunのブレークアウト・ボードを利用しました。スイッチサイエンスから購入できます。I2Cのピンヘッダ、1mmピッチの4ピンコネクタがついています。同社はQwiicと呼んでいます。Qwiic-Grove変換ケーブルを用いてM5Stackとつなぎました。この変換ケーブルのGrove側のコネクタはロック機構がついていてM5Stackに挿せないので、Grove - I2Cハブを仲介しています。
 視野の広さによって2種類の製品があります。利用したのは広角タイプ(110×75°)です。もう一つは視野55×35°です。

サンプル・スケッチを動かす

 M5Stackを導入した時点で、MLX90640のサンプル・スケッチが入っています。

  スケッチ例->M5Stack->Unit->MLX90640

 コンパイルして実行します。ゾンビのようなものが見えています。レンズを自分の顔に向けていて、目が黒く(眼鏡をしていて温度が低い)、口が赤い(温度が高い)のが、はっきりとわかります。

(※)UNOではメモリが少なくて動きません。執筆時点では、MKRZEROではSparkFunのライブラリがコンパイルでエラーが出て動きません。

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