超精密温度計の製作①準備
校正なしで0.1℃の確度をもつ温度計は簡単には作れませんでした。今では、専用のICを購入すれば実現できます。これまで、いくつか取り上げてきました。
温度センサTMP116の評価用ボードを動かす ±0.2℃(-10~+85℃)のスペックですが、データシートを見ると実質±0.1℃の能力がありそうです。 温度センサTMP117の評価用ボードを動かす 温度センサMAX30208の評価用ボードを動かす |
広い温度範囲で安定な0.1℃の確度が出せるTMP117を利用します。インターフェースはI2Cです。
●評価ボードからセンサ部分を取り出す前に
センサ部分は評価用のマイコン回路から切り離せます。
回路図から、I2Cのスレーブ・アドレスを選択するADD0につながっているR16をショートすればGNDにつながり(デフォルト)、1001000x =0x48になっています。SDA/SCLのプルアップ抵抗はマイコン側についているので、切り離すとプルアップなしの状態になります。
温度センサTMP117の評価用ボードを動かすの記事でも書いたように、評価ソフトを動かすと、レジスタの内容などが表示できます。
https://www.tij.co.jp/tool/jp/TMP117EVMから起動します。
Sensor Configurationを見ます。
上記の条件で、設定に必要なRegister Mapを見ます。CONV_RDYが1秒ごとに変化します。そのたびにTEMP_RESULTも変化します。上記の設定では1秒の周期になっています。
CONFIGURATION / CONFIG_REG / CONV_CYCLE[9:7]をデフォルトの1秒から最大の18秒に変更すると、CONFIG_REGは0x03A0になりました。デフォルトは0x0220でした。
CONFIGURATION / CONFIG_REG / CONV_CYCLE[9:7]をデフォルトの1秒に戻し、CONFIGURATION / CONFIG_REG / AVG_MODE[6:5]は、デフォルトの: 8 Averaged conversionsから64 averaged conversionsに変更します。CONFIG_REGは0x0260になりました。この平均化処理には1秒かかると表示があります。
消費電力を考えずに安定した出力を得たいならば、CONFIGURATION / CONFIG_REG / CONV_CYCLE[9:7]を最速の15.5msに、CONFIGURATION / CONFIG_REG / AVG_MODE[6:5]を64 averaged conversionsにすると、CONFIG_REGは0x0060です。
最速の変換が欲しいならば、CONFIGURATION / CONFIG_REG / CONV_CYCLE[9:7]を最速の15.5msに、CONFIGURATION / CONFIG_REG / AVG_MODE[6:5]を平均化なし(No averaging)にすると、CONFIG_REGは0x2000です。
Alartの機能を使う予定はありません。
●センサ部分の切り離し
ラジオペンチではさんで割りました。