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サーモスタットでPCのFANコントロール

CPUのFANの静音化

 CPUを冷やすために、ヒートポンプ方式の大型の冷却FANが市販されています。FANを回さなくてもある程度の冷却ができます。しかし、ヘビーなプログラムを走らすときには、FANを回して冷却したいところです。

 CPUの耐熱温度は70℃以上が多いのですが、テストのために40℃でFANが回るように設定します。テストで使っているPCのCPU E5-2670は製品仕様によれば、ケース温度TCaseは80.0℃が上限です。この温度を超えて動作している場合、自動でクロック・ダウンし、温度を下げもしくはシャットダウンするかもしれません。

回路図

 確度±1℃のサーモスタットTC622EPAを利用し、MOS FETでFANをコントロールします。電源電圧は4.5~18Vなので、PCのFAN電源12Vがそのまま使えます。OUT端子は最悪値VDD*0.8VがHIGH=9.6V以上出るため、通常のMOS FETをドライブできます。アマゾンで安価に入手できたFQPF5N60C(600V,4.5A)を使いました。

 温度設定は1本の抵抗R3でできます。データシートよれば、約40℃は 120kΩです。TC622EPAのパッケージは8ピンDIPと大きいため、温度を鋭敏に感知できません。CPUのケースから、ヒート・ポンプで熱がフィンに運ばれる間にも温度は下がるので、40℃でファンを回しても、CPUの温度はもっと高温になっているかもしれません。温度を表示するソフトウェアで読み出して確認します。

実装

 図のようにコンパクトにまとめ、フィンの上に貼り付けました。

 動作確認は、CPUID HWMonitorを使いました。CPUの温度を上げるために、同CPU-ZのBench使いました。OSはMicrosoft Hyper-V Server 2016です。

 テストのスタート時、FANは止まっています。もう一つのCPUのFANは常時回転させています。

 CPU-Zのストレス・テストを続けていると、CPU温度がだんだんと上がっていきます。60℃台でFANが1分ほど回り、温度が下がったので止まりました。

 CPUの温度とFANの放熱フィンの端では大きく温度が異なります。事前に計測しておくことが大切です。また、サーモスタットはねじ止めできるタイプがあるので、そちらを使ったほうが長期に使うときは安定して動作させられるでしょう。

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