1.27mm、0.65mmピッチICのはんだ付け Rev.B
■ICパッケージの進化
スマホなどの小型機器が多く製造されるに従って、電子デバイスは小型になりました。リード線のある抵抗コンデンサはスルーホール部品と呼ばれ、電子工作など特別な分野で活躍しています。たとえば、チップ抵抗は下記のような規格の製品が使われています。
呼び名(mm) | インチ | 寸法[mm] |
---|---|---|
0603 | 0201 | 0.6×0.3 |
1608 | 0603 | 1.6×0.8 |
6332 | 2412 | 6.3×3.2 |
DIPと呼ばれる電子デバイスは、幅はいろいろありますが、リード線の間隔(ピッチ)は1/10インチ=2.54mmでした。その後、半分の1.27mmピッチが、最近ではその半分の0.65mmが多いです。
リード線が出てないデバイスも多くなり、QFNはパッケージの端に電極があるので、はんだ付けには熟練が必要です。逆にそういうデバイスは手はんだに向いていません。BGAなどは、手はんだはできません。
- DIP Dual In-line Package
- SOP Outline Package
- SSOP Shrink Small Outline Package
- QFN Quad Flat Non-leaded package
- BGA Ball Grid Array
●変換用プリント基板
ブレッドボードなどでは2.54mmピッチが一般的なので、狭いピッチのICを2.54mmに変換するボードが必要です。市販品はいろいろありますが、ピン数がちょうどあっていることは期待できません。
複数のピッチ変換ができるボードもあります。
OPアンプなどは4ピンの2列が一般的です。向きが90度変わっているので、1ピンの位置を確認します。下記の写真の'1'は、利用するときに1番ピンの目印です。
●はんだ付けの手順
- 変換ボードを動かないようにテープで捨て板の上に止める
- ICを正しい方向に乗せて、細いテープで止める
- フラックスをピンの上に塗る
- はんだゴテ先にはんだを溶かす
- はんだゴテをピンの方向と90度でズルーっと塗るようにはんだを流す
- はんだ吸い取り線ではんだを吸い取る
片方にはんだを流すとき、反対方向のピンがずれてしまうことがあるので、確認をしながら作業をします。取り外さないと修正できないときは、はんだをたっぷりはんだゴテにつけ、フラックスをピンに塗り、ピン全部にはんだを盛るとプリント基板からはがせます。
ピン数が多いと、ICが動きやすくなるので、指先で押さえるか、対角線上のピンだけをはんだ付けするか、工夫します。
テスタを導通チェッカ・モードにしてブザーが鳴るようにします。2.54mmピッチの端子と、ICのリード線の付け根との間で導通があるかどうかを確認します。はんだ吸い取り線ではんだを吸い取り過ぎて、リード線が浮いているときは、はんだゴテの先を少し強めに押し当てて修復します。
隣とのピン同士のショートも確認します。はんだを最初に流し過ぎると、パターンの裏側でショートしていることもあります。
最後に、ピンヘッダをはんだ付けします。
最後に、IC表面に型番が印刷されていない製品もあるので、袋に型番を書いて保管します。
●追加(Rev.B) リードのないIC
AMG8833は、Flat Non-leaded packageです。信号ピンは0.127mmの並びです。
SOPと同様に、変換基板を固定し、その上にAMG8833を載せ、テープで固定します。
フラックスを塗り、はんだゴテをピンの方向と90度でズルーっと塗るようにはんだを流すと、ピンピッチの間隔があいているので、きれいにはんだが流れました。多めにはんだが着かなかったので、吸い取り線を使わなくてもよさそうです。
設定のはんだ面はICの裏側が面積が広く、その部分まではんだが流れたかは不明です。動作チェックでは、問題ありませんでした。