これ一つで測定すべてをカバーするADALM2000 (5) ネットワーク・アナライザでアンプの帯域を見る-3
DUTであるINA1620を使ったヘッドホン・アンプは、入力が差動になっています。
前回、OPA1612によるゲイン1の反転アンプを作りました。これにより、ADALM2000の発振器W1の出力をIN+に直接入れ、反転アンプをはさんでIN-にも180℃位相のずれた入力を加えます。
●反転アンプの出力
ADALM2000の電源で+5Vと-5Vをアンプに供給します。発振器で5kHz 0.5Vp-pのサイン波を出力し、アンプの入力につなぎます。
接続です。
発振器の出力がオレンジ色、INA1620ヘッドホン・アンプの出力が紫色です。
●ボーデ線図
ネットワーク・アナライザの機能でボーデ線図を観測します。画面から上のグラフであるレベルが大きく異なるとき、表示エリアをはみ出してしまい見えません。右下のDisplay Settingsから上限(Max. Magnitude)と下限(Min. Magnitude)のdB値を変更して、見やすいところにグラフの描画をもってきます。
1MHz弱の帯域があることがわかります。ヘッドホン・アンプにこの帯域が必要かどうかはわかりません。
OPA1612の負帰還抵抗R2と並列に100pFをつけます。
高域の傾斜が少し変わりました。このように、回路定数の変更をリアルタイムに確認ができて便利です。