DMMで変な波形の電圧を測る

 DMMは交流の電圧が測れます。テスタでも測れます。ただし、多くは低い周波数の正弦波です。世の中には正弦波でなくても測れるDMMがあるようなので、実際に観測します。
 DMMの表示値は実効値です。オシロスコープで見ているのはピーク値です。ピークをもつ波形の飛び出しているところを切り崩し、平らにして0Vから平らなところまでの電圧を測ると実効値になります。

 発振器は岩通FG-350です。
 波形の観測はPicoScope5242B Aチャネルで16ビットの解像度です。
 DMMはKeithley 2000のACVです。

1kHz正弦波

 周波数は1.003kHz、実効値ACVrmsは1.069V、ピーク値ACVp-pは3.023Vp-pです。

  1.069[Vrms] * 2 *SQRT(2) = 3.0235[Vp-p]

なので、計算通りの数字が観測できています。

 Keithley 2000の読みは1.08190Vacです。

10kHz正弦波

 周波数を10倍にしました。

 読みは1.059Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.08380Vacです。

100kHz正弦波

 周波数をさらに10倍にしました。

 読みは1.07Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.08469Vacです。

500kHz正弦波

 周波数を上げて500kHzにしました。

 読みは1.078Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.09510Vacです。

1MHz正弦波

 周波数を上げて1MHzにしました。

 読みは1.088Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.09180Vacです。Keithley 2000はこれ以上の周波数では電圧の表示値が異常に低くなったので中断しました。カタログ上では確度が表示されているのは300kHzまでです。

1kHz方形波-デューティ50%

 読みは1.536Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.5577Vacです。

100kHz方形波-デューティ50%

 読みは1.537Vrmsですが、Keithley 2000の読みは1.5446Vacです。

●1kHz方形波-デューティ90%

 いままで、PicoScopeのACRMSと真のRMSは同じ値を示していましたが、ACRMSは956mVrmsです。Keithley 2000の読みは923.45mVacです。

●1kHz方形波-デューティ10%

 読みは991mVrmsですが、Keithley 2000の読みは958.80mVacです。

●1kHz方形波-デューティ10%オフセットでプラス側だけにシフト

 読みは994mVrmsですが、Keithley 2000の読みは959.15mVacです。

半波

 正弦波の出力にダイオードを入れ、抵抗で終端しました。発振周波数は1kHz、オシロスコープの表示は364mVrmsです。ピークは1.0Vp-pです。Keithley 2000の読みは374mVacです。

  1.0[Vp-p] / (2 *SQRT(2)) = 714[mVrms] 

半分の波形だから、2で割ると357mVrmsなので、Keithley 2000の表示に一致します。

いびつな正弦波

 Analog Discovery2の発振器で位相角度をまるで調整したかの波形を発生させます。

 PicoScopeで波形を観測します。ピークの電圧は973mVですがACrmsは406mVです。Keithley 2000の読みは416mVです。

 位相角度の小さい波形を作りました。ピークの電圧は778mVですがACrmsは254mVです。

 手元にある測定器での結果です。

  • TEKPOWERのTP9605BTでは169mV
  • DER EEのDE-232Cでは215mV
  • Keithley 2000では266mV
  • Keysight 34461Aでは265mV
  • Iwatsu VOAC7602では266mV
  • HP 3457Aでは266mV

なので、多数決で266mVのようです。

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