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MOSFET (モスフェット)とは

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 MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略です。別名ユニポーラ・トランジスタとも呼ばれます。スイッチング速度が高く、変換効率が高い特徴があります。そのため、高速の動作または省電力での稼働を必要する場合に重宝されるトランジスタです。

 歴史的にはバイポーラ・トランジスタがアナログ回路、ディジタル回路の両方で普及してきましたが、MOSFETの改良により今ではアナログ回路、ディジタル回路どちらでも利用がされています。現在ディジタル回路に至っては、バイポーラ・トランジスタを使う製品はほとんどありません。
 また、アナログ回路とディジタル回路を混載した半導体チップの普及により、アナログ回路のトランジスタとして、ディジタル回路と同じMOSFETが選ばれることが飛躍的に増えた背景があります。この結果、半導体チップの製造コストを格段に抑えることができたのです。

 MOSFETの内部構造を見てみましょう。

 入力端子は「ゲート」、出力端子は「ドレイン」、接着端子は「ソース」とそれぞれ呼ばれています。
 次の図(Wikipedia「図1. プレーナゲート型Nチャネル縦型」から転載。文字修正)は基本構造であるDMOS(Double-DiffusedMOSFET)です。



 N+基板の上に形成されているため「N型MOSFET」に分類されます。P基板とN基板を反転させたものは「P型MOSFET」です。N型MOSFETでは電子がキャリアである一方で、P型MOSFETはキャリアが正孔となり、ソースからドレインに向かってチャネルを形成し、ドレインからソースへ向かって電流が流れます。

 MOSFETの大きな特徴は、低圧領域(~200V程度)においてオン抵抗(RDS(ON))が低いことです。しかし、耐圧 300~400V あたりからオン抵抗が高くなるため、400V以上の中圧から高圧の領域ではバイポーラ・トランジスタのひとつである IGBT(Insulate Gate Bipolar Transistor)を使うことが多くなっています。

知っておきたいMOSFET情報

MOSFETの用途例

  • 大規模IC (マイコン、LSI、ディジタル回路)
  • オーディオ(アンプ出力)
  • 自動車電装(電気自動車など)

MOSFETの最新開発

 MOSFETの特徴である耐圧に関わるのがオン抵抗(RDS(ON))と全ゲート電荷量(Qg)ですが、それぞれの値は二律背反の関係にあります。それぞれの値が小さいほど、高性能なMOSFETといえますが、どちらも同時に実現することは難しいとされてきました。

 そのため、最新の開発においては素子構造を改善してオン抵抗と全ゲート電荷量の積FOM(Figure of Merit)の値を低減させる動きが進んでいます。
 そのひとつの手法として「トレンチ・ゲート方式」が挙げられます。これはMOSFETの表面に溝を形成し、垂直方向に電流回路を作ることでその中にゲートを埋め込むことで、セルの幅を最小化し同一サイズの素子に対して多くのセルを搭載することでより多くの電流を流すという手法です。

 さらに、従来のシリコン(Si)に代わり、炭化ケイ素(SiC)窒化ガリウム (GaN)を活用することで高耐圧、低電力損失のパワー半導体を製造する開発も進められています。

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