使ってみた (2) スイッチとしてPチャネルMOSFET
PチャネルMOSFETは、ソース(S)よりゲート(G)電圧のほうが低くなった場合にONします。次の回路を用いて、ゲートに電圧を加え、ON/OFFする様子を観測します。電源を10Vとし、負荷抵抗R2が1kΩであれば、ONしたときには10mAの電流が流れます。
MOSFETは、2SJ681とTJ11A10M3の2種類を測定しました。
●MOSFET 2SJ681のおもなスペック
- ドレイン-ソース間電圧Vdss -60V
- オン抵抗 0.12Ω
- ゲート電圧Vth -0.8~-2.0V
- ドレイン電流 -5A
●測定結果1
ソースに加えている電圧は10Vです。0Vから電圧を上げていきます。ゲート電圧8.1V付近からOFFし始めます。8.6V付近でほぼ完全にOFFになりました。電流がまったく流れなくなったのは、9.03Vでした。ソースとゲートの電圧差で表現すると、-1.9VからOFFし始め、-1.4Vでほぼ完全にOFF、電流が流れなくなったのは、-0.97Vでした。
●測定結果2
入力電圧を変えて測定しました。
入力電圧[V] | OFF始まり電圧[V] | 差分[V] | OFF電圧[V] | 差分[V] | 出力電圧[V] |
---|---|---|---|---|---|
3.30 | 1.59 | 1.71 | 2.08 | 1.22 | 3.30 |
5.00 | 3.17 | 1.83 | 3.76 | 1.24 | 5.00 |
10.00 | 8.1 | 1.9 | 8.5 | 1.4 | 10.00 |
12.00 | 10.08 | 1.92 | 10.67 | 1.33 | 12.00 |
15.00 | 13.04 | 1.96 | 13.74 | 1.26 | 15.00 |
24.0 | 21.93 | 2.07 | 22.72 | 1.28 | 24.0 |
●MOSFET TJ11A10M3のおもなスペック
- ドレイン-ソース間電圧Vdss -100V
- オン抵抗 0.1Ω
- ゲート電圧Vth -4.0~-2.0V
- ドレイン電流 -11A
●測定結果3
入力電圧[V] | OFF始まり電圧[V] | 差分[V] | OFF電圧[V] | 差分[V] | 出力電圧[V] |
---|---|---|---|---|---|
3.30 | 0.02 | 3.28 | 0.81 | 2.19 | 3.10 |
5.00 | 1.30 | 3.7 | 2.49 | 2.51 | 5.0 |
10.00 | 6.34 | 3.66 | 7.52 | 2.48 | 10.00 |
12.00 | 8.31 | 3.69 | 9.40 | 2.6 | 12.00 |
15.00 | 11.47 | 3.53 | 12.46 | 2.54 | 15.00 |
24.0 | 20.36 | 3.64 | 21.45 | 2.55 | 24.0 |
(※)実験用電源はAglent E3631A、電流測定のDMMは岩通VOAC7602、電圧測定はDER EE DE-232Cを用いました。