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何度も使えるヒューズ---ポリスイッチの特性を測る(2)

 ポリスイッチは、電流が流れると発熱し、ある一定の電流を超える(トリップ)と抵抗値が数桁増加することで、電流を制限します。カタログではトリップ時間は1秒以下のように読み取れます。

 次の構成で、手動ですが、負荷電流を流して最大電流がいくらかを測ります。実験は、室温26℃で行いました。mAの測定はそれほど正確ではありません。手動で負荷電流を増やすときの電流の読みは±50%ほどの誤差を含みます。

 実験用電源;HP6632A。5V-5Aで設定。5A以上流れた時は、シャットダウンする。
 電子負荷;;150W容量テストモジュール200V 20A USB調整可能な定電流電子負荷バッテリ容量テスターモジュール(アマゾンで入手)

L012; 120mA 

 負荷電流をするするっと上げていくと、340mAで電圧が急激に下がりました。

 負荷電流を100mAにし、60秒そのままにし、そこからさらに負荷電流を上げていきます。560mAで電圧が急激に下がりました。
 100mAを150mAにしたら、420mAで電圧が急激に下がりました。
 150mAを200mAにしたら、470mAで電圧が急激に下がりました。
 280mA
にしました。すると数秒で電圧がだらだらと下がり始め、40秒で急激に下がりました。

050X; 0.5A 

 負荷電流をするするっと上げていくと、1.75Aで電圧が急激に下がりました。

 負荷電流を0.5Aにし、60秒そのままにし、そこからさらに負荷電流を上げていきます。1.2Aで電圧が急激に下がりました。
 負荷電流を1.0Aにしました。すると数秒で電圧がだらだらと下がり始め、10秒で急激に下がりました。

X110; 1.1A 

 負荷電流をゆっくりと上げていくと、3.68Aで電圧が急激に下がりました

 負荷電流を1.0Aにし、60秒そのままにし、そこからさらに負荷電流を上げていきます。2.39Aで電圧が急激に下がりました。
 1.0Aを1.5Aにし、2.08Aで電圧が急激に下がりました。
 2.0Aにしました。すると15秒で電圧がだらだらと下がり始め、25秒で急激に下がりました。

RXEF135; 1.35A 

 負荷電流をゆっくりと上げていくと、5Aでも切れません。

 負荷電流を1.5Aにし、60秒そのままにし、そこからさらに負荷電流を上げていきます。3.99Aで電圧が急激に下がりました。
 1.5Aを2.0Aにしました。3.1Aで電圧が急激に下がりました。
 2.5Aにしました。すると数秒で電圧がだらだらと下がり始め、20秒で急激に下がりました。

RXEF160; 1.60A

 負荷電流を1.5Aにし、60秒そのままにし、そこからされに負荷電流を上げていきます。4.77Aで電圧が急激に下がりました。
 1.5Aを2.0Aにしました。5.0Aで電圧が急激に下がりました。
 2.5Aにしました。すると40秒で電圧がだらだらと下がり始め、65秒で急激に下がりました

傾向

 定格電流の前後では、抵抗値は低く、電圧降下はほとんどありません。

 出力がショートし、定格の数倍の電流が流れたら電流を制限するので、途中にある過大な電流で破壊されるデバイスを守れません。いつまでも電流が流れていると、発煙や発火を防ぐ目的で使う用途なのかもしれません。

 負荷のショートを取り除けば、復活するので、ヒューズのように取り換えは不要です。しかし、ヒューズのような性能を期待してはだめだということは確かです。

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