TOPに戻る

3端子レギュレータを測る その2 7805の入力電圧

入出力の電圧差は3V以上必要といわれる

 JRC NJM7805(5V出力、最大1.5A)の入力電圧が、10V、8V、7Vのとき、出力電圧の安定性を調べます。測定回路を次に示します。電子負荷では2種類の電流を切り替え、そのレスポンスをオシロスコープで観測します。

 最初の実験では入出力にコンデンサをつけていません。使用したオシロスコープはKeysight DSOX3012T(100MHz)です。画面キャプチャは、同社のPC用BenchVueを使っています。

負荷電流0.4Aと0.6Aとを約1.1kHzで切り替える

 黄色い上の波形は入力端子(DC入力)です。電流の変化によって電圧が変化します。緑の下の波形は安定化出力端子(AC入力)です。

◆入力電圧が10Vのとき

 3端子レギュレータは、負荷電流が変化すると出力電圧が変化したのを修正しようとします。出力の波形は10mV/divですから、5Vに対してわずかな電圧変動後に安定した電圧に戻っている様子がわかります。

◆入力電圧が8Vのとき

◆入力電圧が7Vのとき

 入出力差が2Vでは、出力は不安定です。

負荷電流0Aと0.8Aとを約1.1kHzで切り替える

 負荷電流の変化が激しいときは、入力と出力電圧の差が必要なようです。しかし、このような負荷変動は通常の利用時はあまりありえません。

◆入力電圧が10Vのとき

◆入力電圧が8Vのとき

 入出力差が3Vあっても、電流変化が激しいと、出力が安定ではありません。

◆入力電圧が7Vのとき

負荷電流0.2Aと0.3Aとを約1.1kHzで切り替える

 電流変化が少ない事例です。やはり入出力差は3V必要と思われます。

◆入力電圧が10Vのとき

◆入力電圧が8Vのとき

◆入力電圧が7Vのとき

入出力にコンデンサをつけた条件(1)

 入力と出力に0.1uFの積層セラミック・コンデンサを取り付けました。負荷電流は前と同じ条件で、0.2Aと0.3Aとを約1.1kHzで切り替えています。入力が7Vと下がったときも、動作が安定しています。

◆入力電圧が10Vのとき

◆入力電圧が8Vのとき

◆入力電圧が7Vのとき

入出力にコンデンサをつけた条件(2)

 入力と出力に0.1uFの積層セラミック・コンデンサ+出力側に導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ56uFを取り付けました。電流変化に対して変動の鋭いピークが減ったようです。その代わり、変動が長く続きます。

◆入力電圧が10Vのとき

◆入力電圧が8Vのとき

◆入力電圧が7Vのとき

3端子レギュレータを測る

(1) 7805のGND

(2) 7805の入力電圧