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実験 ブラシ付きモータ その2 PWM

モータには電力を供給している

 前回、次の回路でマブチモーターFA-130を回しました。

 直流の電圧と電流をモータに供給しており、電圧を変化させると回転数が変わりました。

 回転数を変えるには、ほかの方法があるのでしょうか。

PWMによるモータの回転数の可変

 マイコンでモータの回転数を変化させるために、PWMという方式が使われます。Arduinoというマイコンのアナログ出力はPWMです。PWMはディジタル信号です。

 オシロスコープで見ると次のような方形波です。

 1周期の中で、ON(3.3V)とOFF(0V)があります。この写真は1周期が96kHzです。そうとう速くONとOFFが入れ替わります。

 この波形を、Pulse Width Modulation = PWM と呼びます。高速でON/OFFしているので、モータには平均の電圧約0.7Vが加わっているように見えます。アナログのメータの反応は早くないので、アナログの電圧が出ているように見えます。

 ONの時間を長くし、OFFの時間を短くすると、平均の電圧は高くなり、3.3Vに近くなります。

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 動作電圧:DC 3~35V、PWM周波数:10kHz、PWMデューティ比:1~100%

というスペックです。

 次のように接続して、波形をみました。

電源電圧5V、ボリュームは右に回し切る

 回転数は5800rpmです。

 ボリュームは中央付近です。回転数は3900rpmです。モータには約3Vの電圧がかかっています。周期は約13kHzで、デューティ比は約50%です。ディーティ比は、「ONしている時間」を「1周期時間」で割った数を百分率で表した数字です。ONとOFFの時間が同じであれば50%です。

 モータの回転が止まる直前までボリュームを左に回しました。回転数は980rpmです。プローブは逆の極性で接続していました。短いパルスがONしている時間です。デューティ比は約30%です。

電源電圧6V、ボリュームは右に回し切る

 回転数は23400rpmです。電流がたくさん流れ、高い電圧のノイズが発生しています。

 ボリュームは中央付近です。回転数は14700rpmです。デューティ比は約50%です。前回、測定したグラフから、この回転数は約2.6Vの直流をかけ、約270mAの電流が流れたときに相当します。

 ノイズが混じってわかりにくいので、ワンショットだけの波形は次のようになります。

 モータの回転が止まる直前までボリュームを左に回しました。回転数は740rpmです。プローブは逆の極性で接続していました。短いパルスがONしている時間です。デューティ比は約10%です。モータの両端にかかっている電圧は約6.5Vで、電源電圧より高めです。

コラム マイコンでPWM信号を作る

 マイコンは1個もしくはそれ以上のタイマが入っています。8ビットのタイマであれば256まで数えられます。タイマはカウンタと同義です。例えば、64という数値を初期設定してタイマを動かすと、クロックごとにカウントアップし、255を超えると64に戻ります。オーバフローしたら、I/OポートのいずれかをONにするとかいうプログラムを記述できます。クロックは、マイコンのクロックを分周して利用するので、周期は変更できます。

測定器

 電源;HP 6227B

 電圧計;岩崎通信機 VOAC7602

 回転計;DT2234B

実験 ブラシ付きモータ

(1) 回す

(2) PWM