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初心者のためのLTspice入門の入門(1)(Ver.4)入手方法とインストール

 2024年3月にLTspiceの少し大きなアップデートがありました。LTspice XVIIからLTspice24へと、バージョン17からバージョン24と大きくジャンプしています。見た目も大きく変わりましたが、基本的な枠組みは変わってはいません。このLTspice入門の説明のキャプチャ画面が実際に表示されるものと印象が異なると初心者は戸惑ってしまいます。
 はじめてLTspiceに触れる入門者でも戸惑わないように、このシリーズをLTspice24に合わせてバージョンアップします。

LTspiceの入手方法とインストール

 LTspiceはアナログ・デバイセズが無償で提供しているSPICEベースの回路シミュレータです。この回路シミュレータは無償で提供されているにも関わらず、ほかの評価版回路シミュレータのように回路のノード数などの制限がなく、無制限の利用条件で提供されています。また、リニアテクノロジー、マキシム、アナログ・デバイセズの提供する豊富なデバイスの利用回路がシミュレータのサンプル例として用意されています。初心者でも、いろいろな回路のシミュレートを容易に体験できます。
 LTspiceは、アナログ・デバイセズ社の次のアドレスのWebページからダウンロードできます。

アナログ・デバイセズのLTspiceのページにアクセス

 LTspiceをキーワードにしてインターネットのWeb検索を行うと、Analog Devices社の「LTspice情報センター」の項目が検索結果の上位に表示されます。その項目をクリックすると、次に示すページが表示されます。このページは2024年5月現在、次のアドレスでアクセスできます

  https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator.html

 このページにあるLTspiceのダウンロード欄の「Windows 10の64ビット以降版」をクリックして、ダウンロードします。
 このページでは、このほかにLTspice デモ回路、資料として「LTspice初心者ガイド」、ショートカット集、LTspiceのビデオを見るなど、必要な情報を入手できます。


 

ダウンロードの開始

 LTspice24のインストールは、上に示したLTspiceの画面の「Windows 10の64ビット以降版」をクリックして、LTspice24のインストール・パッケージのLTspice64.msiをダウンロードします。


LTspiceのインストール

 ダウンロードのフォルダにダウンロードされたインストール・パッケージLTspice64.msiをダブルクリックするとLTspiceのインストールが開始され、次のセットアップ・ウィザードの開始画面が表示されます。

 「Next」のボタンをクリックして次に進みます。

 ライセンスの合意を求めてきます。合意の項目をチェックして「Next」のボタンをクリックして次に進むと、LTspice 24の更新された内容の説明があります。
 シミュレーション速度の高速化、アイコンとカーソルが更新された、などの変更点などについて50行以上の説明があります。


 内容を確認して「Next」ボタンをクリックして次に進みます。

 「ログオンユーザのみが利用」がデフォルトの設定です。デフォルトの設定のまま「Next」ボタンをクリックして次に進みます。

 インストール先のフォルダを選択することができます。デフォルトでは一般的なc:\Program Filesのフォルダにはインストールされません。ユーザ・フォルダの次のフォルダにインストールされます。

  AppData\Local\Programs\ADI\LTspice

 デフォルトの設定でインストールするので、このまま「Install」ボタンをクリックして次に進みます。

 ここで、インストールが開始され、次に示すように進行状況が表示されます。


 インストールが完了すると、次に示す完了を示す画面が表示されます。インストール完了後にLTspiceを起動することを指定するチェック欄あります。以前のバージョンまではチェックされていましたが、Ltspice24ではデフォルトではチェックされていません。


 LTspiceを起動し確認するために、次に示すように「Launch LTspice」をチェックし「Finish」ボタンをクリックし、インストールを終了してLTspiceを起動します。

LTspiseを起動した初期画面

 LTspiceが起動すると、次に示すような初期画面が表示されます。今までのバージョンとは、初期画面の印象は大きく変わっています。


 メニューバーの項目は以前と変わらず4項目となっていますが、Helpをクリックして表示される項目は従来の3項目から、次に示すように大幅に強化されています。
 


 一番上の「LTspice Help」ではLTspice24の詳しい説明が用意されています。2024年5月現在、LTspice24についての説明はこの「LTspice Help」が一番詳しいものとなっています。

頻繁にバージョンアップが行われている

 「Show LTspice change log」で、次に示すようにLTspiceのバージョンアップのログが確認できます。2023年11月1日のLTspice 24のバージョンアップから、12回も更新が行われています。


 これは、次に示すAbout LTspiceで現在までの様子が確認できます。

 LTspiceはいつでも最新のバージョンとモデルが利用できるようになっています。次回から、インストールされた回路シミュレータLTspiceの使い方を確認します。

 
 (2015/12/28 V1.0)
 (2017/11/7 V2.0)OSがWindows7->Windows10、
     バージョンがLTspice IV -> LTspice XVIIへの変更に伴い、加筆修正した。
 (2018/5/22 V3.0)アナログ・デバイセズのWebに統合され
     ダウンロード先などが変わったので、前半をすべて差し替えた。
 (2024/5/26)
     LTspice XVII -> LTspice24のバージョンアップに伴い全面的に書き替え。


 

<神崎康宏>

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